体脂肪を落とす方法と期間はどれくらいなのでしょうか?方法についてはランニングなどの有酸素運動や筋トレ、サプリで落とすたくさんありますが、私はシンプルに食事と筋トレで脂肪を落とすことをおすすめします。中年太りにならない為にも体脂肪を落とす方法を身につけていきましょう。
体脂肪が増える原因は?
そもそもなぜ体脂肪が増えるのでしょうか?その原因をおさらいしましょう。
食べ過ぎ
脂肪は「摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る」と蓄積されます。摂取エネルギーとして使われるのは「炭水化物」「タンパク質」「脂質」の「三大栄養素」と言われるものです。
特に私がセッションでカウンセリングするときに多いと感じるのは「脂質」です。意外と含まれていなそうなものに脂質が多かったりします。
逆に「足りない」のがタンパク質です。このあたり細かくは食事のところで説明していきます。
運動をあまりしない
特に現代はデスクワークが多いのでこの問題があります。運動をすることで消費エネルギーは増えますが、運動をあまりせずに通勤で歩くくらいという方は運動不足になりがちです。
体脂肪を落とす方法は?その前に確認すべきこと。
体脂肪を落としていくのには、適切な運動と食事が不可欠なのですが、それをしていく前に知っておきたいことをまとめてみました。
日頃私がお客様に説明していることでもあるのでぜひポイントを押さえておいてくださいね。
そもそも脂肪とは?
ダイエットを考えているあなたは「美容」のことに興味津々だと思いますが、そもそもこの「脂肪」とはなんなのでしょうか?
「よくわからないけど、お腹を引っ張るとついてくるコレでしょ」
正解です笑
人間の体内には4種類の脂肪があります。
・中性脂肪
・コレステロール
・脂肪酸
・リン脂質
この中では「中性脂肪」「コレステロール」がよく聞くワードなんじゃないかと思います。
コレステロールについては違う記事にしてあるので興味のある方はどうぞ。コレステロールは決して害などではなく、必要があってあなたの体についています。
参考→ コレステロールは下げる必要が無いし、基準値を気にして薬を摂取することもいらない。
中性脂肪とは何なのさ?
中性脂肪ってどういうもの?と思う方もいるかもしれませんが、豚肉や牛肉の白い脂の部分ありますよね?あれがいわゆる中性脂肪ってやつです。
この中性脂肪が私たちの身体につくと「皮下脂肪」「内臓脂肪」というように名前が変わります。体内の9割ほどの脂肪はこの2つであり、皆さんがダイエットで一生懸命落とそうとするのもこの脂肪になります。
中性脂肪を下げる為に運動をする理由
この中性脂肪についてですが、グリセリンと脂肪酸という物質が結合することで出来ています。
役割としては、エネルギー資源の貯蓄です。そのために、運動や空腹などでエネルギーが不足してくると、この貯蓄していた脂肪を分解、そして燃焼させてエネルギー源として使用するのです。
そこから、この中性脂肪を下げる為には運動ということに結びつくわけですね。
脂肪は悪なのか?
ダイエットの敵に中性脂肪がされるように、一般的に「脂肪」というと「悪」というイメージが強いですが、果たしてそうでしょうか?
先ほど挙げたコレステロールの記事にもあるように、必要があって体内に発生している脂肪もあります。
コレステロールは血管の修復の為の栄養素です。それが発生している(数値が高くなっている)ということはそれだけ血管が傷ついているという言い換えも出来ますよね。
必要があってついているということを認識しよう
そもそも中性脂肪過多の状態も、エネルギーを余らせてしまっている自分自身の責任があることを忘れてはいけません。
1日のエネルギー資源よりも使った資源が少なければそれは「余り」となり、身体に貯蓄されていきます。
そういった日々を繰り返していれば自ずと「エネルギー過多」な状態になります。シンプルな話ですよね。
まずはこうして必然的に脂肪はついているのだということをきちんと自覚しましょう。
脂肪を薬やサプリで落とす方法はあり?
そういった脂肪を薬やサプリで強制的に落とそうとする人がいます。
「活用する」のならまだわかりますけど、そういった場合も含め、薬やサプリばかりに頼ってしまうというのは以下2点のリスクを伴うことを言っておきます。
内臓は大ダメージを受ける
薬やサプリというのは基本的に人工物になりますので、自然界には無いものです。
するとそれは「完全」な状態では無い為に、その欠乏を補おうと身体ではエネルギーを消費してどうにか消化しようとします。
その際にダメージを受けるのが、特に肝臓と腎臓です。
薬やサプリを常飲している人の大胸筋と腸腰筋(肝臓は大胸筋と関連し、腎臓は腸腰筋と関連します)を筋チェックで調べてみると見事に弱化反応が出ることが分かります。
それだけ体は内臓からダメージを受けるということです。
身体が歪む
上の話につながることですが、筋肉の弱化反応が出てしまうということは、骨格のバランスが崩れます。
結果的に体が歪んでしまうのです。
どうしても薬やサプリで痩せなければならない(そんなケース無いと思いますが)という人以外は摂らない方が長期的に見て身の為です。
もしも摂るにしても期間を決めて、長くとらないこと。飲む日は水をいつもより1.5倍は飲むことを意識してください。あくまでもそれらは「補助食品」であることを忘れなければ、効果は上がるかもしれませんよね。
体脂肪を落とす方法|決意した日から始めたい習慣とは
体脂肪を落として理想の体型へ!と決めたら生活習慣を改善していくことが大切になってきます。
その際に意識したいポイントをいくつかまとめてみました。
体脂肪を落とす筋トレ
体脂肪を落とすというよりは、実際には「理想のラインに近づくため」に筋トレをしていきます。
・ただ痩せたらお尻は垂れる→筋トレをしてヒップアップしながら痩せる
・ただ痩せたら平面的な背中になる→筋トレをして立体的な背中へ
・ただ痩せたら皮と骨だけの腕になる→筋トレをして張りのある腕に
こういったメリットがあります。その中で意識していくポイントは2つです。
1.姿勢改善の筋トレ
これは美容だろうと健康だろうと必須になってくる項目です。
姿勢が悪いと同じ体格だとしても見栄えが悪くなります。
猫背で写真を撮ってみたあとに背筋を自然に伸ばした形で撮ってみるとその違いが明らかになるかと思います。
また、姿勢改善することで内臓の機能が高まり、結果として「代謝が高まる」ので、いわゆる「太りにくい体質」になるチャンスでもあります。
姿勢改善の筋トレとしておすすめなのは「カラダでアーチ」というものです。下の写真のように仰向けになり、体でアーチを作って10秒ほどキープをしていきます。しっかりやるとかなりキツイです。是非試して見てください。
▲万歳をして思い切りお尻を上げよう。名前の通り「アーチを作る」ことが大切。
多関節種目を積極的に!
多関節種目とは、1度の運動で多くの関節が動く種目のことです。これを積極的に取り入れようということです。
例えばスクワットだと、足首・膝・股関節・背骨などたくさんの関節が動きますよね。
対してレッグエクステンションという膝を伸ばす種目は膝関節だけの運動です。これを「単関節運動」と言います。
多くの関節が動くということはそれだけ多くの筋肉が伸びたり縮んだりするということ。つまり多くの筋肉に刺激が入るということになりますよね。
こういった種目を多く取り入れていくことで効率良く運動を進めていくことが出来ます。
有名な種目だと、下半身はスクワットがオススメです。
上半身は腕立て伏せ、です。
家トレに関しては下記の記事にも詳しく載せています。これに腹筋を加えて3種目をしっかりと繰り返すことが出来れば例え家トレであっても十分に効果が期待出来ます。
まとめるとメニューとしては
スクワット | 10-15回 3-5セット |
腕立て伏せ | 10-15回 3-5セット |
腹筋 | 10-20回 3-3セット |
これらを次に説明する食事と一緒に続けていくことが成功のポイントになります。
参考→初心者必見!ダイエットの運動のポイントと家トレの種目5選!
体脂肪を落とす食事は?
ダイエットや脂肪燃焼!というと食事をとにかく制限するということが頭に浮かぶかもしれません。
もちろん、基本的に食べ過ぎの人が多いのでそれで良いのですが、ただただ制限するだけではダイエットは成功しにくいです。
しっかりとポイントを押さえて計画的に制限していくことが必要になります。
タンパク質は体重をg換算して算出すること
筋トレもするので、筋肉の材料となる栄養素が必要ですよね。それがタンパク質です。
大豆やお肉、魚などから摂れるので、1日の中に必ず摂り入れたい食品です。
1日何g摂れば良いの?という質問がありますが、お肉やお魚の油で胃腸がもたれてしまう人がいるのも事実。
まずは体重gを目安に。(体重が50kgの人であれば50g)
そこから体重g×1.5くらいまで増やしていきます。
脂質はどれくらい?
脂質に関してですが、結構これを摂りすぎという人が多いです。
例えば、目標体重を50kgとします。その体重の時の目標体脂肪を20%とします。
すると、体脂肪を除いた「除脂肪体重」というのは40kgになります。(50kgのうちの80%が除脂肪体重ですね)
その値に30をかけると「最低限摂取したいカロリー」が出てきます。この場合は1200kcalということに。その値の25%が脂質になるように調整します。
1200kcalの25%なので300kcalを脂質でまかないます。1g=9kcalとして脂質を計算すると、およそ33gの脂質を1日で摂取することになります。
こうして求めた脂質の量を出ないように食事を工夫する必要があります。
[blogcard url="http://calorie.slism.jp/"]
こういった食材のカロリー計算のサイトもあるので、便利なものは使いながら、自分のいつもの食事の脂質をコントロールしてみてください。
別にご飯は食べて良い
炭水化物を極力カット!というものを見かけますが、私はそんなことは無いと、自分のボディメイクでも感じています。炭水化物というのは、体内で水と化合しますので、これが無いとむくみの元になる可能性もあるのです。また、エネルギー源でもあるので、活発な活動をしていくのにも必要です。
また、でんぷん的な甘さというのは東洋医学の根底の陰陽五行において身体を「緩める」作用があります。日頃ストレスに生きている人にとっては、ご飯は身体と心、どちらの栄養にもなるとっておきの食材なんです。
ではどれくらいなら食べて良いの?ということですが、これも先ほどの続きで計算で求めることが出来ます。
現在60kg、目標体重が50kg、目標体脂肪率20%とします。
体重gの1.5倍のタンパク質→50kgの人は90g必要で、タンパク質は1gあたり4kcalとなります。すると90gのタンパク質は360kcalとなります。
先ほど脂質は目指す体重の除脂肪体重で算出した場合の目安カロリーの25%でしたので、こちらは300kcalでした。
二つを合わせると660kcalです。これを1200kcal(目標体重・体脂肪になるための目標カロリー)から引くと残りが540kcalです。これを炭水化物で摂取していきます。炭水化物も1gあたり4kcalなので炭水化物は130g前後の摂取が必要となりますね。
というように、しっかり計算してみると「炭水化物も意外と必要」ということがわかるかと思います。なんでもかんでも制限はあまり良くない、ということですね。
体脂肪を落とす有酸素運動は?
筋トレの後に有酸素運動を、という人は多いのですが、私の体験談からぶっちゃけた話をしたいと思います。
ぶっちゃけ自分のボディメイクではやっていません。
私はベストボディコンテストというコンテストと、サマースタイルアワードというコンテストに出場しています。
その際体脂肪をどうやって落としたのかというと、特にサマースタイルアワード出場の時というのは、ほとんど有酸素運動はしませんでした。
コンテストの時ですら「食事のコントロール」でしたので、コンテストに出るわけでなければ、ぶっちゃけ有酸素運動というのはあまり必要無いと思います。それなしで十分ボディメイクをできたのですから間違いありません。
燃焼された体脂肪はどこから?
燃焼された体脂肪というのは「呼気」として体外に出てきます。
British Medica Journalという医学誌に掲載されている論文に、燃焼された体脂肪が呼気と一緒に体外へ出てくると報告されています。よって脂肪燃焼に大切な器官として「肺」を挙げていました。
この論文では最後に
"eat less, move more." (食べるのを減らし、もっと動け)
と締めくくっています。シンプルイズベストな答えです。
体脂肪を落とす時に気になるQ&A4選にトレーナーが答えます
トレーナーとしてお客様に接するときによく聞かれる質問をまとめてみました。もちろんこれ以外にも質問はあるのですが今の時点でよく出るなあと感じているものを。
これ以外に質問したいときには私に気軽に「教えろや」と質問を投げかけてきてください。
Q.体脂肪を落とすのにプロテインは必要?
私自身の話ですが、要らないと思いますし、私はプロテインを使わないでも美ボディのコンテストに出場することが出来ました。
・ボディビルのような極限までカットを出して、サイズも大きくすること
これを私は求めていないので、いつもの食事で十分と思っています。
ですので、まずは食事を整えることから始めてもらえたら嬉しいです。例えば
・固形物をどうしても摂取するのが苦しい
・「食べる時間と場所」が制限されている
などの理由がある場合はプロテインを摂取しても良いでしょう。あくまでも「栄養補助食品」であるということをお忘れなく。
Q.体脂肪落とすのにランニングが良いって聞いたけど?
ランニングは有酸素運動に入るかと思いますが、先ほどの項でも説明した通り、私自身ほぼ有酸素運動は取り入れません。
趣味でやる分には全然良いと思いますが、走ることが「苦痛」になっているときにはやらなくて良いと思います。
ちなみに私は長距離走が「苦痛」なのでやっていません笑
Q.体脂肪を落とす漢方ってどうなの?
日本の漢方というのは中国の本場の漢方とは違うものです。
よってこれも「薬」に分類して良いかと思います。以前漢方を服用している方の身体をチェックしたら普通に肝臓と腎臓の機能低下が見られました。(経絡チャートにおいて肝臓は大胸筋の筋バランスの崩れや機能低下につながり、腎臓は腸腰筋につながります)
美容にしろ健康にしろ、出来るだけ自然界にある食材で達成するのが人間にとっては一番負担が無いのかもしれませんね。錠剤や顆粒状になっているものは「薬」としてください。薬なので基本、主作用の裏に副作用もあります。用法・用量をきちんと守り、長期間の服用の場合は医師に相談していきましょう。
Q.体脂肪を落とすのを出来るだけ短期間で!
リバウンドのリスクがそれだけ高まりますがそれでもよければどうぞ。
簡単に落としたいなら「空腹の状態を出来るだけ長くする」ことです。
脂肪のエネルギーは運動の時と空腹の時にたくさん使いますからね。
ただ精神的にもしんどいと思いますし、慣れない方は食事をいつもの腹八分目にすること、少しでも多く動くことを意識するだけでも十分です。
短期間で落としたものは短期間で戻りやすいので、結局はタンパク質を摂取しながら筋トレをするのが効果的と言えそうです。
そうは甘く無いけど続けていれば遅かれ早かれ効果は出ます。
体脂肪を落とすというのは、そう甘くはありません(レベルによりますよ。)。
ですが、続けていれば遅かれ早かれ効果は出てくるはずです。
おしゃれを思い切り楽しんだり、夏に水着を着たりするためにも、常に自分の体型を維持する習慣を身につけましょう!

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。