ダイエットにはカロリー制限が基本。そう思って、一生懸命カロリーや糖質の量を計算している人がたくさんいるかと思います。カロリーの目安はもちろんありますが、あまり気にし過ぎると逆に太りやすくなるかも。カロリー計算やカロリー制限をする前に知っておきたいポイントをまとめてみました。
ダイエットでカロリー制限しても痩せないのはなぜか
頑張ってカロリー抑えたのに全然痩せない!
そういう人は本当に多いですが、なぜ痩せないのでしょうか?実際に私のところにセッションに来る方の多い例を紹介していきたいと思います。
カロリー制限しているようでしていない(糖質制限のみになっている)
カロリーを制限、つまり落として行くのであれば、カロリーとは何かを知る必要があります。
カロリーとは以下の3つの栄養素のことを言います。
・炭水化物
・たんぱく質
・脂質
カロリー制限する人はこのうちの炭水化物しか落とそうとしません。大切なのは制限したカロリーの中でこの3つの栄養素のバランスをどうしていくか(PFCバランスと言います)なのです。
ただ単に「食べない」のは正しいカロリー制限とは言わない
そういったことからただただ「食べない」というのは「カロリー制限」とは言いません。PFCバランスをどのようにして、どれくらいの量をどれくらい制限するのかを計画・実行・振り返りをしていくのが正しいカロリー制限です。
やみくもにカロリー制限してしまっては、以下のデメリットが起こって来るでしょう。
ダイエットでのカロリー制限のデメリットは?
カロリー制限することによって起こり得るデメリットには以下のことがあります。
ストレス
まずはこれ。食べることが大好きな人にはカロリー制限というのは「食べたいものが食べられない」というストレスになりかねません。
そのストレスが限界に達すると、逆に食べ過ぎてしまうことも。食べることが大好きで、食欲の為に食事をしている人は、カロリー制限という方法でダイエットをする時には注意が必要です。
体重だけで無く代謝も一緒に落ちてしまう可能性も
PFCバランスが崩れたカロリー制限をすると、エネルギーが一時的に不足(と脳が思ってしまう)します。すると、身体は防御モードに入ります。つまり「エネルギーを出来るだけ使わない身体になる」ということです。
そうなると、エネルギーを生み出す筋肉達にも休んでもらう必要があります。結果的に代謝の低下に繋がってしまうのです。
そこに例えば食べ過ぎが続いたり、食事制限を止めてしまって元の食事に戻してしまうと、今までは普通だったものが過剰なエネルギーとして蓄積されるように。これがいわゆる「リバウンド」ですね。
カロリー制限だけをしようとするとこういったことも起こり得るということを頭に入れておかなくてはなりません。
食事が偏る可能性
カロリー制限をすると、1食あたりのエネルギー摂取量が決まってくるわけですが、そこには「炭水化物だけに偏る可能性」や「油物で偏る可能性」があります。
1食あたり500kcalだとしても、コンビニのおにぎり2個なんてことも・・・。食事において大切なポイントはやはり「PFCバランス」です。「カロリーを守って入ればOK」というわけでもないので注意が必要です。
ダイエットでも最低限摂取したいカロリーは?
ダイエット時でも最低限摂取したいカロリーを計算で求めてみましょう。
まず、目指したい体重と体脂肪率が必要になるので、ダイエットをしようと思っている人はこれを明確にします。
ここではわかりやすく、【女性が50kg/20%を目指す】という想定で計算をしてみます。
(1)まずは除脂肪体重という、脂肪を除いた体の重さを求めます。50kgのうち脂肪以外なので0.8をかけます。除脂肪体重は40kgですね。
(2)その出た数値に30をかけます。この場合は1200となりました。これが最低限摂取したいカロリーです。これ以下になると活力も低下してしまうので危険が伴う場合があります。
こうしてダイエットをしていても最低限のエネルギーを摂ることは意識していきたいですよね。カロリーは「制限すれば良いってもんでもない」ので。
カロリー制限をする前にチェックしたいポイント2つ
カロリー制限をして行く前に、食事や運動に関するチェックポイントをいくつか挙げたいと思います。
ダイエット=カロリー制限という人はまず下記を自分の生活に当てはめてから実行するかどうか検討してみましょう。
高タンパクの食事をしているか?
健康にダイエットを進めて行く為には、身体作りの材料となるものがなければなりません。それがたんぱく質です。
このたんぱく質がないと、例え筋トレ等の運動をしたとしても「異化」と言って、筋肉が分解されてしまう現象が起こり、代謝がどんどん低下していきます。
どれくらい必要かというと、女性でも体重gは摂りたいところです。つまり50kgの人であれば50gのたんぱく質は摂りたい。例えばこれを1日で摂るのであれば
朝→お茶碗1杯のご飯・卵・納豆
昼→お肉の定食(揚げ物じゃないもの)
夜→お魚やお肉を何かしら
これくらい「食べないとダメ」です。たんぱく質50gは鶏肉換算で250g摂取の必要があります。
しっかりとまずは高タンパクな食事をするということを心がけましょう。皆さん全然食べ足りません。
タンパク質の必要量は【体重g】が基本!女性も男性も筋トレやダイエットに必須!
適度な運動をしているか?
週2回〜3回の簡単な運動は、筋肉に適度な刺激を与え、成長するきっかけになります。
例えスクワット10回であっても、やるとやらないでは雲泥の差。そして食べることが大好きな人にとっては嬉しいことも。「トレーニングの前後は一杯食べて良い」ということです。筋トレはやっている時もですが、やった後も代謝が高い状態が続きます。
食べながら綺麗になりたいという人は、適度に筋トレを入れているかどうかを一度振り返ってみましょう。
以下何個か適度な運動にぴったりな筋トレ種目の紹介です。
スクワット
足の定番の種目であるスクワット。足の間にボタンがあると思って、それを両手で押しに行くような意識で行うと上手に行きますのでお試しあれ。
膝立伏せ
膝立伏せは腕立て伏せの前段階のトレーニングですが、腕立て伏せが出来ないという人にはおすすめ。慣れてきたら腕立てに挑戦していきましょう。
ニートゥチェスト
下腹部を鍛えて行くトレーニング。下腹部は足を動かして行くことで鍛えることが出来ます。
動画で丁寧にポイントを解説してくれているので何度も見て下腹部に刺激の入る感覚を確かめていきましょう。
もっと知りたい人は家トレの記事を参考に。
正しくカロリー制限したい「PFCバランス」とは
正しくカロリー制限をするのであればPFCバランスを求めて行くのが手っ取り早いです。
これには計算していく必要があるので、今回は例として
35歳女性 158cm 55kg 普段はデスクワーク
という方を例に説明していきます。
この方の基礎代謝を計算で求めるとおよそ1200kcalとなります。普段デスクワークなので行き帰りの通勤の分や家事の分のカロリー消費を足すとおよそ1450kcalほど。これが食事の目安になります。
つまり
・1450kcalほどの食事をしていれば体重は維持され
・それよりも低い食事を続けていれば体重は減量される
というシンプルな方程式が出来上がります。
では、この1450kcalからPFCバランスを計算していきます。
まずはタンパク質ですが、タンパク質の目標摂取量は体重の1.5倍gなので82.5gとなります。タンパク質は1gあたり4kcalとなりますのでこれで330kcal。
次に脂質。脂質の理想は全体のカロリーの25%を脂質から摂取することです。が、これは結構厳しい値なので、少し緩めに30%分を脂質から摂取することにします。346kcalを脂質でまかなうことになり、脂質量としては38.4gです。
残りを炭水化物で摂取します。炭水化物は119g摂取可能です。
これでPFCバランスが分かりました。まとめると
炭水化物・・・119g
タンパク質・・82.5g
脂質・・・・・38.4g
これらを1日の食事の目標量として調整していきます。
今は便利なもので食材の名前やコンビニの商品のバーコードで栄養素を調べることが出来ます。
カロリー制限する人は「たんぱく質が少なく・脂質が多い」食事をしている
カロリー制限をして痩せないと言っている多くの人は、「炭水化物とたんぱく質が少なく、脂質が多い食事」をしていることが多いです。
これではなかなか体は変わってきません。
PFCバランスをきちんと正し、この割合の中で全体量を調整するのがカロリー制限です。
以上のことを忘れず、自分の食事を見直してみましょう。
綺麗な人は「よく食べ・よく動き・よく休む」
私たちが思う綺麗な人というのは、よく食べ・よく動き・よく休んでいます。
よく食べ、というのはもちろん、量のことではありません。goodの意味ですね。
よく動き。適度に筋トレをして身体に負荷をかけています。
よく休む。仕事とプライベートのメリハリがしっかりしています。
どれもこれも、私たちにだって真似できること。ちょっと食事を見直せば良いし、ちょっと5分くらい筋トレの時間を取れば良い。
やらねば何も始まりません。「そのうち・・・」ではなく「今から」はじめてみましょう。

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。