食生活を改善していくことでダイエットが成功したり、健康を手にいれることが出来ます。その方法は非常にシンプルで「タンパク質」「菌」「ミネラル」を摂ろうということに尽きます。今回は食生活について、考え方と具体的な方法をお伝えしていきます。
ダイエット=食事制限ではありません
ダイエットをする!と意気込む人の典型的な例が
・野菜をとにかく食べること(人によっては野菜だけ!)
・炭水化物を極端に制限すること(全く摂らないという人も!)
・朝や夜を抜くこと
などなど、とにかく「減らそう」とします。しかし、一歩立ち止まり考えてみると、食事は身体を作る源ですよね。減らしてしまっては、体の細胞は痩せ細ってしまいます。ということは、私たちの体で熱を生み出してくれている筋肉も痩せ細ってしまうということですね。
実際にセッションにいらして頂いて「リバウンドした」とおっしゃる方のほぼ全員が極端な(上記に挙げたような)食事制限や糖質制限をしていたということを聞きます。
リバウンドの実例からも窺えるように、どうやらダイエット=食事制限であるとは言えなさそうです。
食事制限のメリット・デメリットを考えてみよう
食事制限は確かに痩せます。ただ食事制限「だけ」だと筋肉も一緒に落ちてしまうはめに。痩せても筋肉が落ちたことにより太りやすくなってしまっては、一生食事制限をし続けなければなりませんよね。
陥りやすい悪循環の例としては
「食事を減らしたり野菜だけ食べたりする→体重が落ちる→筋肉も落ちる→代謝が落ちる→少し食べただけで大幅に戻る→筋肉落ちているから代謝出来ない→なかなか痩せない→また食事を減らしたり野菜だけ食べたりする・・・」
どうですか?このような悪循環になってしまっている人、いませんか?まだ大丈夫と言う人も、未然に防いでいく必要がありますよね。
まとめると
○確かに体重は落ちる。
×筋肉まで落ちてしまうのでリバウンドしやすい
ということがメリット・デメリットかなと思います。確かに体重や体脂肪は落ちるので、「場合に応じて使い分ける」といいでしょう。しかしそれは自分の体を上手にコントロール出来るようになってからの話し。まずはちゃんと食べて、よく動いていきましょう。
point.
むやみに制限するのは危険だ。まずは栄養を満ち足りた状態にしてから「引き算」していこう。
食生活の組み立て方を知ろう
ここからは具体的にどんなものを食べることが「ちゃんと食べる」ということに繋がるのかをお伝えしていきたいと思います。
ポイントはタイトル等でも言ったように「タンパク質」「菌」「ミネラル」になります。これらをしっかりと摂取していきましょう。
タンパク質の摂取はどれくらいが良い?
基本的なタンパク質の1日の必要量は?
お肌、髪の毛、爪、筋肉。私たちの身体はタンパク質が分解されたアミノ酸によって作られているのです。つまりタンパク質がないと私たちの体は作られません。ダイエットやボディメイクなど、身体作りするしないに関わらず日常から必要な栄養素です。
そしてほとんどの人が不足している栄養素がこのタンパク質です。「痩せたい」と言っている人ほど不足しているなあと常々思います。「こんなに食べるんですか?」と実際に驚かることからも、意外と食べていない人が多いことが分かります。
さて、タンパク質の1日の必要量ですが「体重g」を最低でも摂取していかなくてはなりません。
例えば体重50kgの女性であれば、1日で50gのタンパク質を摂取していくことになります。
ここで注意しなければいけないのは、食材の重さ=タンパク質量ではい、ということです。
「50gくらいなら毎日お肉食べてる〜!」とたまに言われるのですがそうではありません。タンパク質というのは「含有量」として計算されるので、「お肉の重さそのものではない」ということを知っておきましょう。
例えば、お肉だったら100g食べるとおよそ20g前後のちょっとのタンパク質を摂る事が出来ます。
先ほど、どれくらいのタンパク質が1日で必要と言ったか覚えていますか?体重gでしたよね。となると50gのタンパク質を摂取するには「250gのお肉」を1日で食べなければダメということになります。
結構な量ですよね?食事制限していた人にとっては有り得ない量かもしれません。
タンパク質は「お肉・魚・豆・卵」に多く含まれているので、今日からどの食品にどれくらい含まれているのか気にしてみると良いのではないでしょうか。
代表的な食品をここに挙げておきます。
食材 | 食べる量 | タンパク質の量 |
お肉 | 100g | 20g |
お魚 | 100g | 25~30g |
納豆 | 1パック | 9g |
卵 | 1個 | 4~5g |
詳しく知りたいという方はタンパク質についてまとめた記事もあるので参考にしてみてください。
[blogcard url="https://takuyakonno.com/192/"]
point.
意外と食べないとタンパク質は足りない。毎食タンパク質を入れるように今日からやってみよう。
タンパク質の必要量は女性、男性で変わる?
もちろん、女性より男性の方がタンパク質は必要になります。私のセッションでは
・女性は体重g
・男性は体重g〜体重×1.5g
を目指して摂取してもらっています。こうやってしっかり栄養を摂ると「食べずにダイエット」というのはまず考えられません。ダイエットは健康の土台なくしては成し得ません。そのためにもしっかりと栄養を摂りましょう。
また、次で紹介しますが、目的に応じて更に必要量というのは変わってきます。
タンパク質の必要量は目的に応じて変わる
タンパク質とダイエットの関係は「筋肉」という共通キーワードがあります。
筋トレをすると、筋肉は刺激により一度繊維が破壊されます。そこから「同じ刺激に負けないぞー!」と身体が反応し、強い引き締まった筋肉が作られていく過程で多くのタンパク質が必要になります。
そういったことから、ある程度負荷のかかる筋トレ(重りを持つなど)をしている人の場合、体重g以上のタンパク質が必須となっていきます。女性でも体重の1.5倍、男性では2倍のタンパク質摂取が目標です。
食事だけでダイエットという人は体重gの摂取でOKです。あとは他の食材の調整を行います。
まとめると
・食事だけで体を変えようと思う、ダイエットしようと思うのであれば「体重g」
・重りを持ち上げるトレーニングをしているのであれば「体重g以上」を目標にする
ですね。
タンパク質は高齢者ほど必要となる
例えば、こんなこと思い当たりませんか?
・若い頃は何をどんなに食べても太らなかった。
・「ヤバイ」と思っても少し動いたり1食ないしは2食抜いたら戻った
これらは私たちの身体のタンパク質再合成能力によるものです。その能力というのは年齢が若いほど高く、70代でゼロになると言われています。ということは、年齢を重ねれば重ねるほどタンパク質は食事から補わなければならないということですよね。
年齢を重ねれば重ねるほど、食事の重要性が増してきます。その事実をまずは認識していきましょう。
タンパク質が多く含まれているのはお肉、魚、豆、卵。どのタンパク質もバランス良く摂っていきたいですね。
point.
年齢が上がれば上がるほど食事の大切さが増す。さて、昨日は身体に「良い」ものを食べただろうか?今の積み重ねが未来のあなたの身体を作ることを、忘れてはいけない。
タンパク質の摂りすぎってある?
タンパク質は摂取上限量が設けられていない栄養素です。しかし、お肉やお魚など動物性のタンパク質を過剰に摂取し続けると、身体は酸性に傾き、色々な症状が出てきやすいです。
その摂取状況を見極める方法があります。
何かというと、「うんち」です。
汚い話でごめんなさい。でも大切なんです、うんち。
動物性の食品が過多の状態になるとうんちは黒くなります。
それが動物性過多のサインです。そうなってきたとしてもタンパク質は日々必要ですよね。その場合は卵や納豆などの植物性から摂取するなどして、タンパク質は切らさないようにしていけば良いのです。
うんちの理想的な色は濃い黄色または茶色と言われています。日々の調子をうんちからも、見てみてくださいね。
菌とミネラルで栄養吸収状態を高めよう
菌が栄養吸収状態や健康状態に関わる要素となる
タンパク質が身体の中に満ちてきても、身体の栄養吸収状態が悪くては元も子もありません。栄養吸収状態を決めるのは私たちの身体の中にたくさんある「菌」です。
菌を調えることが、身体の栄養状態を決めることになります。
私は、菌類全体とその酵素作用やその他菌類の作用を受けた食物を、健康の為に積極的に食事に取り入れるという考えを持っています。
日本では知の巨人と言われた南方熊楠が菌の研究では有名です。海を渡ればパストゥールという発酵の研究をしている人が有名です。どちらの方の著書も菌の大切を教えてくれます。
菌の役割のひとつに、栄養の選別があります。必要な栄養素と不要な栄養素のバランスを取ってくれるのが菌の役割。菌のバランスが崩れることで私たちの体のいろんなバランスが崩れると言っても過言ではないと思います。
ということで、まずはしっかりと発酵食品やきのこ類を摂ることです。で、お肉やお魚も遠慮なく食べる。善玉菌や悪玉菌と言われるものがありますが、どちらもいなければならない
のです。大切なのはバランスです。
現代では善玉菌を増やせ増やせと言われていますが、善玉菌だけではバランスが崩れます。善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスを食べ物からしっかりしていくことが大切です。
そのために取り掛かりやすいのが「発酵食品」を食べることです。そして出来れば食す発酵食品は、時間をかけて作られたものが良いかと。工業製品的に大量生産されているものは強制的に発酵させられており、菌の効果が少ないです。
・納豆
・味噌
・醤油
・キムチ
・糠漬け
・きのこ
・お酢
・ヨーグルト
・チーズ
・鰹節
・ピクルス
探せば色々な発酵食品がありますので、出来れば毎食何かしらの発酵食品を食事に取り入れていきましょう。
ミネラルが菌の働きを活発にする
ただただ菌を摂取すれば良いというわけではなくて、その菌をしっかりと働かせるためにミネラルを摂取していきましょう。
お手軽なのは「塩」を摂取すること。その「塩」も「食塩」は避けて摂取していきます。
食塩は「薬品」と言われており、高血圧等のもとになりますが、本来の塩は身体の調和を取るために必要なものです。
少し割高になりますが、ちゃんとした塩を摂取していきましょう。
分からない!という人は私の使っている塩を紹介しますので参考にしてみてください。
岩塩がお好みの方のために岩塩も。
これらを料理に入れるとか、普段飲んでいるお水にひとつまみ入れるなどして、ミネラルを摂取してみてください。
ミネラルの摂取は「微量」が原則なので、いくら良い塩とは言え、大量に摂取することは避けていきましょう。
point.
古来から人間はそれぞれの文化圏で「菌」と「ミネラル」を大切にしてきた。日本では神棚に祀るもの「お神酒=菌」「お塩=ミネラル」がそれを物語っている。もう一度、日本の歴史を見直したい。
炭水化物はどうする?
炭水化物についてですが、目的に応じて摂取状況をコントロールします。
ダイエット→糖質量120gを目標にそれ以上にならないように調整する。徐々に100gまで減らしても良い。
ボディメイク→しっかり食べてパワー全開でトレーニングに臨めるようにする。糖質量120g〜多い時で150gを摂取する
といった感じになります。
完全にカットしてしまうと、炭水化物に含まれている食物繊維や水分もカットすることにつながるので、完全カットは「ととのえて、からだ。」では推奨していません。
基本的にちゃんとご飯は食べよう、というスタンスです。
食事のまとめ
食事についてまとめていきましょう。
・タンパク質を体重g以上摂取すること
・菌とミネラルを積極的に摂取すること
・ご飯は基本的にちゃんと食べること(糖質量100g~120g)
それぞれの項目について理解を深めるためにも、何回も何回もこの記事を読み返してみてくださいね。
具体的なダイエット食生活例を紹介します
ここからは具体的にどんなものをどれくらい食べているのか実例を踏まえて紹介したいと思います。私のいつかの朝ごはんは下の写真のような感じでした。178cm 65kg、年間平均体脂肪率13%です。
▲左上から納豆(タンパク質・菌)、卵(タンパク質)、玄米(糖質・タンパク質)、お味噌汁(菌・ミネラル)
ボリューム的にもこれくらいを毎日食べています。これにたまにりんごをプラスするイメージです。
お昼は割と好きなものを食べますが、必ずタンパク質と菌は外さずに入れます。特に利用するのは大戸屋です。
▲お肉だとこれをよく頼みます。もろみも発酵食品なので一応タンパク質も菌どちらも入っています。
大戸屋HPより引用
夜は、ダイエット目的の人は、気持ち朝や昼よりも炭水化物は少なめにしておきます。
その代わり、お野菜や菌をたくさん摂って、睡眠中の消化を活発なものにしていくことを狙います。
▲いつかのみぞれ鍋。鍋だとタンパク質も菌も(きのこなど)手軽にたくさん摂取出来ますね。
まとめ
いかがでしたか?よく「ちゃんとバランスよく食べよう」と意気込むものの、「バランスよく=野菜」と思っていませんか?
バランスよく、というのは
・身体を作る材料が満ちていること
・栄養吸収状態が良い状態であること
これが大切な要素となります。そのために必要なものが「タンパク質」であり「菌」であり「ミネラル」です。
菌が正常であれば、たくさん品目を摂取しあとは体に栄養の吸収を任せる、ということになるのです。
ということで、今日の食卓から「タンパク質」「菌」「ミネラル」意識して入れてみましょう!

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。