身体が常にだるい人、日中眠くて眠くて寝落ちしてしまう人。
それらの原因は何なのでしょうか?
そして改善方法は?
実際のセッションの中でも、身体の相談の中で「夜上手に眠れなくて、疲れが取れなくて、身体がだるいです」というものがたまにあります。
それらに対する現場での私なりの見解も少し含め、原因を追究していきたいと思います。
常に眠いしだるい、その原因は?
眠い、だるいという原因にはどういったものがあるのか確認をしていきたいと思います。
ここではまず、一般的に言われている原因を確認後、私がセッションで説明によく用いる「東洋の智慧」である陰陽五行から紐解いてみたいと思います。
一般的に言われている原因を確認してみよう。
眠いしだるい症状の原因として挙げられるのはどういったものがあるのでしょうか?確認していきましょう。
栄養不足
栄養が不足しているということは、栄養の偏りがあるということですね。
食材の数が少ない人は要注意。
身体の調子を整えていくためにも高ビタミン・高ミネラルの食事を心がける必要があります。また、熱=エネルギーを生み出すためにタンパク質や鉄分も摂取する必要が。
食養の世界でよく言われる「マゴワヤサシイ」を考えながら自炊にしろ外食にしろ摂るとある程度バランスが取れるかも。
身体に優しい食事を目指したい方は以下がおすすめ。森さんは食事全般の知識がものすごい方なので一読の価値あり。
若杉おばあちゃんは粗食の大切さを身を以て教えてくださる人。後述の陰陽の考え方も取り入れています。
後ほど食事に関しては具体的に私が思う優先順位をお伝えします。
運動不足
運動不足によって、体内の老廃物が溜まったままになっていると、そこから眠気やだるさにつながることも。
筋肉の伸縮が少ないと筋肉の動きも固くなり、老廃物を押し出すポンプの機能も弱くなると言われています。
日頃運動していないなあ、と感じる方はこの機会に始めてみては?
この後にもストレッチやエクササイズを紹介するので、それから始めるのもありかもしれません。
睡眠不足
睡眠不足は眠気やだるさだけでなく様々な症状の原因ともなります。
もしも睡眠時間が足りていない場合には、少しでも確保するよう心がけること。
時間を確保出来ない場合には、睡眠の「質」を高めることが大切。
質を高めるポイントとして、私たちは生まれ育った環境が一番「安心」します。
もし現在生まれ育った家で無いのなら、その家の環境に近い湿度や温度に設定することで睡眠の質を高めることが出来ます。
タレントでアスリートの武井壮さんは、高校から6年間、毎日温度と湿度と体温の関係を記録して、一番ベストな体調を保ち続ける方法を身につけたそうです。
それくらい徹底しろとは言いませんが、睡眠の質を高める努力、体調を維持する努力もしてみると上手に眠れるのかもしれませんね。
ストレス
ストレスと一言で言っても実に様々なものが考えられますね。
このストレスについては後述します。
肝臓の疲れ
肝臓の主な働きは3つあります。「代謝」「解毒」「胆汁の生成・分泌」です。そのうちの代謝機能がこの眠気やだるさとは関係します。
肝臓は身体がエネルギーを使いやすい状態で貯蔵して、必要に応じてそのエネルギーを全身に送り出してあげる作用をしています。
肝臓の疲労などで機能が低下していると、その「元気の源」が全身にめぐらないので結果的にだるさや眠気を感じるということですね。
4000年前の智慧を使って紐解いてみる。
さてここからは、4000年前から伝わる智慧を、この眠さとだるさに焦点を当てて使ってみたいと思います。
4000年前から伝わる東洋の智慧は「陰陽五行」と言います。
この世の全ての事象は陰と陽の二氣に属し、無限回転を行っており、さらにその細かな部分を「木火土金水」という五つの要素の盛衰で表すものです。
それぞれ「肝・心・脾・肺・腎」の「五臓」と対応します。その他、身体の部位や筋肉等、私たちの身体を「自然の一部」と考えるのがこの考えです。
怪しいですよねこれ、私も最初はそうでしたから(笑)ただ、驚くほど生活に密着しているものなんです。
例えば、冷たいものをバクバク食べると、こめかみの辺りが「き〜ん!」と痛くなる人、居ますよね。
こめかみは、「胃」の経絡(けいらく)という川の流れの中にある部分。
冷たいものが物質的な「胃」に強い刺激を加えたことで、対応する部分に「痛み」として放出したんですね。
このブログでも何度も登場している哲学です。
参考→人は自然の一部!陰陽五行は色んな関係が良好になる哲学だよ。
参考→“神頼み”で願いが叶わない理由を東洋哲学で紐解いてみる。
眠いしだるいのは、病気ではなくサインだということ。
眠いしだるいというのは、間違いなく身体からの「サイン」です。
どういうサインかは、人それぞれ。
ちょっと分析してみましょう。
眠いというのは睡眠に関わることなので、これは五行の中の「水」に関わる部分です。
そしてだるいというのは「無気力」というように言い換えられるのでこれは「腎虚」という状態。「腎」は五行の中で「水」です。
そうです、どちらも「水」のエネルギーの崩れによって起こることなんですね。
では、どうして「水」の部分が崩れてしまったんだろう?
「水」は陰と陽の中では陰が強い部分。内側へ内側へ向かうエネルギーです。
まさに一点集中、そんな感じ。
例えば
・気温が寒すぎて身体が縮こまることが多かった
・何か思いつめることが続いていた
・不安が頭の中をぐるぐるしていた
・同じ姿勢で同じ作業を長時間していた
・長時間パソコンを見ていた
これら全て、一点集中ですよね。何かに1つに囚われている精神的な意味での一点集中だったり、同じ姿勢やパソコン長時間など、身体的な意味での一点集中であったり。
そうすると、「水」のエネルギーを使って使って使って、使いすぎてエネルギー切れになってしまうんです。
まさに「虚」している状態に。
そしてこのヘロヘロな状態が「症状」として眠気やだるさというように実際の身体に表れるのです。
ここまでは「水」それ自身がヘロヘロになるパターンです。
それ以外のパターンは?
この五行というのは、物事を「相対的」に観るのが特徴です。
そこにある関係性のひとつに「相剋(そうこく)」というものがあります。
このように星型になっています。
水は火を消しますし、火は金属を溶かすし・・・という様に、押さえ込む関係、というのかな。
水を押さえこむのは「土」ですね。
では「土」のエネルギーがヘロヘロになってしまうことは?
物理的には、胃腸に負担をかけることです。
食べ過ぎ、冷たいものや辛いものなど刺激物の摂り過ぎ。あとは、五行の中には「五味」と言ってそれぞれ対応する「味」があります。「土=甘味」です。
甘いものが大好きなあなたはここから来ているかもしれませんね。
そして本来「水」は「火」を押さえこみますがそれが逆転し・・・というように、要は先述の「ストレス」の細かな部分を、この陰陽五行というのは紐解いてくれるんです。
物理的にストレスがかかったのか。
生理的にストレスがかかったのか。
はたまた、心理的にストレスがかかったのか。
私は、五臓とそれぞれ対応する筋肉の強弱のチェックを行ったりしながら実際のセッションに取り入れています。
「どんなストレスがだるい眠いの原因となっていたのか」が分かれば、生活そのものを一気に改善出来るチャンスなんですよね。
原因が千差万別だからこそ、こういう様な分析出来るものが必要なんですね。
眠い、だるいは転機?スピリチュアルと陰陽五行の共通点とは。
寝ても寝ても眠いという場合は、
無理して起きている必要はありません。
仕事に差支えがない限り、何時間でも眠ってください。
そういう症状は、人生の大きな節目に出やすいものです。江原啓之著『幸運を引き寄せるスピリチュアルブック』から引用
上の言葉は江原さんの言葉です。
だるい眠いというのはどうも人生の転機に訪れるそう。
最近気付いたのですが、これ実は、4000年前に陰陽五行の中で説明されていることなんですよね。
「木火土金水」というのは、木から始まります。そして水で終わります。右回りの循環の思想なので本当は終わりは無いのですが分かりやすくするために。
季節で言うと「木=春」「水=冬」ですね。そうです、先ほどあれだけ説明した「水」のお話がここでも出てきます。
「水」から循環してまた「木」へと。陰陽五行から見ても「転機」なんですよね。
だからこそ大切なのは「そんな自分(眠くてだるくて仕方の無い自分)をちゃんと認めてあげること」です。
その状態も含めてあなたなんですから。それを「ダメだダメだ」と否定していたら何も始まらないですよ。
まずは眠くて、だるくて仕方の無い自分を、自分で許可してあげてください。そこから新たな「転機」が始まるのでは。
ただ私が思うのは、「いやいや何年も眠いんですけど」っていう人は根本的に栄養不足か運動不足によるエネルギー不足です。スピリチュアルなど言う前に運動や栄養で改善する努力をしていきましょう!
ということで、ストレッチと食事について書いていきます。
改善をストレッチで試みてみよう!
ここまで、眠気とだるさの原因を説明してきました。
ここからは、少しでも症状が和らげば良いなと、それぞれ症状別にストレッチを用意しました。
どれも先ほどの陰陽五行に基づいたものです。自分に合いそうなものを行ってみてください。
眠いだるいに頭痛がセットのあなた。
頭痛の場所にもよりますが、こめかみの辺りに頭痛がある方はこのストレッチが効くかも。
正座をして
少しずつ倒れて
出来ればここまで。「身体の前面」がしっかり伸びるのがポイントです。出来るのであれば正座にプラスして「女の子座り」でも行ってみてくださいね。
眠いだるいにむくみや疲れた状態がセットのあなた。
この状態の人は先ほどの原因のところでいうと「水」のヘロヘロが原因です。
ストレッチとしては前屈ですね。
このようにつま先を上にしっかりと向けるのがポイント。
膝が曲がったり
つま先が寝てしまったりしないようにしていきましょう。
眠いだるいに便秘がセットのあなた。
便秘は「大腸」に関わります。これに関係するのは五行では「金」という部分。
それに対するストレッチを紹介しますね。
このようにタオルを両手に持って
前屈していきます。
その際、ピンクの方向に伸びていく様なイメージをして、出来るだけ肩を前方へと出していきます。
詳しく書いた記事もあるのでそちらも関心のある方はどうぞ。
参考→肩こりだけではなく便秘や肌荒れにも!肩のリリーストレッチでスッキリ爽快♪
必ず最後にはこのエクササイズを。
最後は循環を意識するために「木」の部分を活性化していきます。
この部分は陽の始まり。まさに芽が出て木が成長する様に、上へ上へ、先へ先へというエネルギーです。
それを表現するためにこんなエクササイズを。
仰向けでバンザイをします。そのまま正中線を上に上に伸ばすイメージで。
最後には
この様にお尻が少し上がるくらい力を入れていくのが良いかと思います。
食事をしっかり摂ること。
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こちらの記事ではダイエットの食事に関して「ちゃんと食べろ!」と言っているのですが、これは何もダイエットだけではなくて健康という目的にも通用するものだと思います。
最近は飽食と言われているので、食べるものには困りません。しかし、だからこそ「何を選ぶか」がすごく大切になってきます。
多くの人、私のところに来る方々も栄養不足の人が多いです。ちゃんと食べるポイントは3つの栄養素をしっかり摂ること。見ていきましょう。
タンパク質が最優先!
身体を作る材料となるタンパク質は、どれにも増して優先的に摂取していく必要があります。そしてこのタンパク質が不足している人が本当に多いです。
・肉
・魚
・豆
・味噌
・卵
などに含まれています。それらを必ず毎食摂ることが大切です。このタンパク質が無いと筋肉とかお肌とか髪の毛を上手に作り出すことが出来なくなってしまいます。
目標は体重g。最初のうちは「食べる=タンパク質」と少し極端にしても良いくらい、しっかりと摂りましょう。タンパク質も三大栄養素の中に入るので「カロリー=熱=エネルギー」となります。エネルギーが無いと活力は生まれません。食べることから改善出来るので実践してみましょう。
炭水化物も摂る!ただしお米で。
炭水化物を制限する人が非常に多いのですが、炭水化物は非常に大切な栄養源となると共に「食物繊維」や「水分」をたくさん含みます。それらが不足すると
・腸の不調
・お肌の不調
・日中の活力低下
などなど、健康に関わることに繋がります。もちろん量を摂りすぎては良く無いので「1回の食事につきお茶碗1杯のご飯」というくらいにしておきます。
乾燥した地方で生まれた炭水化物というのは水分があまりありません。パスタやパンですね。これらを摂るよりも日本で獲れるお米をしっかりと食べましょう。
私自身も実験的にパンで3ヶ月生活したことがあるのですがトレーニングメニューを変えていないにも関わらず体脂肪率が増えました。お米に戻したら体脂肪率も戻りました(減少しました)。
そういった経験からもお米をしっかりと食べるべきだと私は感じています。
鉄分でエネルギー生産を加速させよう
鉄分も重要な栄養素なので付け加えておきます。鉄=血というイメージが強いかと思いますが、もうひとつ鉄の役割としてはエネルギー生産の効率をあげてくれている、というものがあります。
鉄を摂取するときに大切なのは「植物性」の鉄は「タンニン」というコーヒーや紅茶、緑茶に含まれて居る成分が吸収を阻害することを知っておく事。
例えば海藻やお野菜を食べて、食後にコーヒーなんかを飲んだら?鉄分はダメになってしまいますね。そういった理由から、もし海藻やお野菜から鉄分を摂るときには「食後にコーヒーや紅茶は控える」ことが必要です。
あとは、そういったものに左右されない動物性の鉄分を摂ること。それはお肉や赤身のお魚に多く含まれています。さきほどのタンパク質のところと食材が被るので、お肉や赤身のお魚を定期的に食べていきましょう。
こうして食事を整えることがつまり栄養を整えることに繋がります。それは内臓の調子を整えることにつながるので、身体の調子を整えることになります。
何年も眠くてたまらないという人は栄養が不足していることも有り得ますので、食事から改善するぞという人は上の方法で
・ご飯をしっかり食べる
・お肉やお魚を積極的に食べる
・日本古来の発酵食品からもタンパク質を摂る
こんなことを意識してみてください。
毎日少しずつ。
身体の改善というのは、少しずつです。当たり前ですが。
これを勘違いして、即効性が無いと「効かない」と言って諦めてしまう方がいるんです。
非常にもったいないなあと見ていますが、どう観じるかは人それぞれなので、無理に説得したりはしません。
ここで紹介したストレッチも、続けていれば遅かれ早かれ効果は出ると思います。
しかしそれ以上に大切なのが、それと並行して「なぜそうなったのか」を分析することです。
不安が頭をぐるぐるしているんだったら「どうしてこれを不安に感じるのか?」を徹底的に考えてみること。
そうして少しずつ、生活が変わってくると、身体がそれについてくるはずです。
からだをととのえて、眠気、だるさを改善して参りましょう。
何かお手伝い出来そうであれば、遠慮なくどうぞ。
東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。