男性であればたくましい胸板、女性であれば引き締まったデコルテゾーンやバストアップに欠かせない種目のベンチプレス。主に大胸筋という胸の筋肉を鍛えて行く種目です。
今回はそのベンチプレスを初心者向けに、方法やその中でのポイント、重さの平均や回数などをお伝えしていきたいと思います。何度も確かめながら、徐々に重い重さにも挑戦していきたいですね。
ベンチプレスの方法
まずはベンチプレスの方法を確認して行きましょう。
フラットベンチに横になります。大体バーベルの真下に鼻がくるくらいが位置の目安です。
バーベルを握っていきます。ひとつの基準としてオリンピックバーに印があるので、ここにまずは小指が来るように握り、そこから試しながら徐々に外側にずらしていきます。また、握り方も親指を外す方法と親指も握る方法がありますが、初心者の人は親指も握る方法で行いましょう。
▲親指を握ったところ。このようにするとしっかりとバーベルを握れるので落とす心配はありません。
▲親指を外した例。上級者の方の場合、こちらの方が「より押せる・より効かせることが出来る」という人もいます。初心者には安全上の理由からおすすめしません。
握り場所が決まったらラックからバーベルを持ち上げてみましょう。最初はかなりグラグラするかと思うので、肩の上で止める練習のみを行うのでも十分だと思います。
▲バーベルは肩の真上にくるあたりが一番安定します。何度も何度もこの安定する感覚を身につける練習をしましょう。最初は誰かに見てもらうのがおすすめです。
ピタっと止めてコントロールできるようになったら、胸の真上からみぞおちのあたりにめがけてバーベルを下ろしていきましょう。肘を曲げるスピードはゆっくり4拍子を数えるくらいが丁度良いです。(ちょいスローテンポのアンパンマンのマーチくらいです)
▲胸まで下ろしたところです。下ろす時には力は抜かないのが良いです。そういった意味も込めて「ゆっくり上げ下げする」というのが大切です。
胸まで下ろしたらバーベルを押し返して戻していきましょう。動作を繰り返し、目標回数を行ったらラックへバーベルを戻します。
以上がベンチプレスの方法です。
初心者が気をつけるポイント
現場でよく見かける「危ない!」と思う瞬間。これを防いでいくためにも、初心者がベンチプレスを行う際に気をつけるべきポイントを紹介したいと思います。
これらを頭に入れながらおこなっていきましょう。
サムレスグリップは危ない
サムレスグリップというのは、さきほど言ったように「親指を外して握る」方法のことです。
中・上級者になり慣れてきた人はこれでも良いですが、コントロールができていない初心者の人が行うとバーベルが滑って落ちて来る可能性があります。
安全という観点から、まずは親指をかけて行なっていくことをおすすめします。
足は上げずに少し地面を押したり踏ん張るくらいにしよう
初心者の方でよくみかけるのが足を上げてしまう人。きつくてジタバタしたくなる気持ちは分かりますが、足はついていた方が力は出ます。
▲挙げよう、挙げようという気持ちが強すぎて足が上がる方が実際にいます(セッションでも見かけます)。足はしっかり地面につけ、踏ん張るようにするのがおすすめです。
これも安全上の観点から、しっかりと足はついて、出来れば少し踏ん張ってお尻を持ち上げるくらいにしておきましょう。すると体全体であげることができるので意外と最初から重い重さをあげることができるかと思います。
急に力を抜かない
バーベルを上げ下げする時に急に力を抜く方がいるのですがこれは大変危険です。
バーベルをコントロールする時は常にある程度の力は入れておくのが大切です。そのコントロールが出来ない重さや回数はやるべきではありません。
初心者のうちは一定のペースで行いましょう。ペースはちょいスローテンポのアンパンマンのマーチくらいです。
重さや回数はどうする?
次に重さや回数などの負荷設定について紹介をしていきたいと思います。これは男性や女性も共通なのでしっかりとみていきましょう。
重さについて
最初は「バーだけ」で行います。ジムによっては女性用に軽いバー(10kgのもの)がありますのでそちらで行いましょう。
オリンピックバーはそれだけで20kgあるので、これで10回が余裕にできるくらいをまずは目指しましょう。
で、おすすめは2週間のサイクルで少しずつ(2.5kgずつ)上げて行く方法です。これだと無理なく上げて行くことが出来ます。
例えば最初の日に30kg上がったとすると、そこから2週間は30kgでやり続けます。2週間後、32.5kgで行い、同じ回数を目指します。
また2週間後・・・というように徐々にやっていくことを目指しましょう。
もちろん、最初から専門家の人に見てもらう人はこの限りではありません。1回だけ挙げられる重さを計測して、そこからエクササイズで使う重さを決定する場合もあります。
誰も周りにそういう人がいない時には「バーだけから、2週間ずつあげる」ということを覚えておいてください。
回数について
回数については何を目的とするかで異なります。
初心者の方は細かい回数設定はおいておいて、とにかく「10回出来る」ということを目標においていきます。
ので、重さに関しても「10回出来たら2週間後にあげる」ということを忘れずにいてください。出来ていないのに重さを上げるのはダメです。
何度も繰り返しやってみよう
ベンチプレスはウエイトトレーニングの基本として覚えるべきトレーニングのひとつです。
そして男性にとっては「何キロ上げた?」という話のネタにもなる種目ですね。
ベンチプレスが上手になるには何度もやってみるしかありません。試行錯誤を繰りかえして人は上手になっていきます。
動画や説明、ポイントを何度も見返しながら動作そのものも改善していきましょう。

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。