デッドリフトは、スクワットやベンチプレスと並んで「ビッグ3」と呼ばれるウエイトトレーニングの基本種目です。
今回はデッドリフトに初心者の方が取り組む場合の注意点や効果を引き出すポイントなどを紹介していきます。
これからデッドリフトをやってみたい、効果を出すポイントがよくわからないという人の参考になれば嬉しいです。
デッドリフトの方法
デッドリフトのやり方を確認していきましょう。重さは一番軽いもので行なっていきます。
まずはバーベルに近づき、背筋を作って(伸ばして)バーベルを持ち上げていきます。
▲ダンベルは必ず近づいて扱おう。
直立姿勢がスタートポジションです。
▲スタートポジション。リラックスして持とう。
その姿勢からお尻を後ろに引きつつ(ヒップヒンジと言います)、お尻をぷりっとさせて(骨盤前傾状態になります)おじぎをしていきます。
▲お尻を後ろに引きつつおじぎをするように。膝のお皿の下までいけたらベスト。
膝は自然に少しまがるかと思います。膝をピンと伸ばすと腰に負担がかかりすぎてしまうので注意が必要です。
バーベルが膝のお皿あたりに来たら動きを少しとめ、直立姿勢に戻っていきましょう。動作を繰り返すことでトレーニングを行なっていきます。
デッドリフトの注意点
デッドリフトの注意点を紹介します。どれも安全上必要なことなのでしっかり頭に入れてくださいね。
身体が丸まらない
体が丸まってしまうのがよくあるミスです。
▲体が丸まってしまうのがよくある例。これでは腰への負担がましてしまう。
この場合は、背筋を伸ばす意識もそうですが、もうひとつ大切な意識は「プリケツ(骨盤前傾)」の意識です。
中腰の姿勢から、お尻を「ぷりっ!」と上に向けてみてください。腰のところに緊張があればOKです。
その緊張を出すように直立姿勢からおじぎをしていきましょう。何度も鏡を見ながら確認します。
肩が上がらないように
腕で「持ち上げる」という意識が強いと肩が上がってしまいます。肩が上がる人は親指もしくは人差し指で特に強く握ってしまっている人が多いです。
▲肩が上がらないために「小指に意識をおく」「首を長くする」などのことを試してみよう。
そうならないためには小指側の意識に変えます。小指側の意識に変えて重すぎると感じる場合には、それは不適切な負荷だという判断になるので重りを下げましょう。その意識の中で扱える重さが本来の負荷設定になります。
膝が内側に向かないように
膝が内側に向くと結果的に腰に負担のかかりやすい姿勢になってしまいます。
▲かなり腰への負担が増すので危険。土踏まずを潰さない意識を持とう。
これを防ぐには「土踏まずを潰さない意識を持つ」ということです。
そうすることで自然と膝のお皿が骨格的にまっすぐに向きやすくなるので試して見てください。腰が不安、という人は必ず行なった方が良い意識です。
バーベルには近づいて扱う
バーベルを持つ時や下ろすときは必ず近づいておこなってください。離れていると腰への負担が過剰になり怪我をしやすくなります。
▲バーベルから離れて持つと腰を痛めやすい。必ず近づいて持つこと。
安全な状態、危険な状態を知っておくことで怪我のリスクを最小限にしながらトレーニングを行なっていくことができます。
デッドリフトのポイント
次に、デッドリフトのポイントを解説していきたいと思います。
どこから動かすかでどこが効くかが変わる
非常に感覚的な話で申し訳ないのですが、トレーニングは「最初に動いた関節に負担が集まりやすい」という性質があります。
そのため、デッドリフトにおいても
・肩甲骨のあたりから起こす→背中に効きやすい
・股関節の起こし運動から始まる→腰や背骨に効きやすい
・膝を伸ばすようにして起き始める→ももに効きやすい
となります。目的の場所に効いてないな〜と感じる場合は、「どこから動かし始めるのか」ということも意識してみると変化するかもしれません。
あごはあげよう
あごをあげると頚椎反射によって背筋が伸びやすくなります。
逆にあごを引くと体が丸まりやすくなるので、結果として腰が危なくなります。
鏡の自分を見るようにして行うと自然とあごが上がるかと思うのでおすすめです。
デッドリフトの効果って?
最後にデッドリフトの効果を確認していきましょう。
全身のトレーニングになる
重いものを持ち上げるというのは全身のトレーニングになります。デッドリフト・ベンチプレス・スクワットはどれもウエイトトレーニングの基本種目であり全身のトレーニングになります。
全身の引き締めをしていきたい、という人はスクワットやデッドリフトを積極的に入れましょう。
体の連携が上手になる
重い重さを持ち上げるのにはある部位だけのパワーでは足りません。身体全体の連携が必要になります。
重い重さをあげられるようになるということはそれだけ体の連携も上手になるということです。
パフォーマンスアップを狙いたい人にもこのデッドリフトは必要なトレーニングということですね。
積極的に取り入れよう
デッドリフトはその形ゆえに「なんだか腰を悪くしそう」というイメージが強いですが、正しいフォームで行なっていけば腰を悪くすることはありません。
軽い重さで何度もフォームを確認し、積極的に取り組んでいきたいものですね。

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。