普段はトレーナーとして色んな方に身体のことをお話させていただいていますが、実は自分でも坐骨神経痛の経験があって、自分の力だけで治したのでその経緯を書いていきたいと思います。
坐骨神経痛の治療やリハビリってGoogle先生に聞いてみると実にたくさんあることが分かりますが、これもひとつの方法に過ぎません。
興味ある方はやってみてほしいですが、私がなぜこれを選んだのかをしっかりと読んでほしいと思います。方法だけが一人歩きしてしまうと何の意味もありません。
坐骨/座骨神経痛ってどんな症状なの?
私たちの身体の、腰のあたりから足にかけて坐骨神経という神経が走っています。元々はこの神経、腿の裏や内ももの筋肉を支配していて、これらの筋肉の伸縮の調節を行っています。
この坐骨神経が、諸々の原因によって圧迫などをされると、痛みや痺れが足全体に起こります。その総称を私たちは坐骨神経痛と言っています。
似たような症状に梨状筋症候群というものがありますが、これは、痛みや痺れが膝から上で留まるのが特徴です。足先まで痛みや痺れが発生していればそれは坐骨神経痛と診てよいです。
原因は?
椎間板のヘルニアや脊柱管狭窄症などと併発することもあるため、これらの疾患が原因と見られることがあります。坐骨神経痛になると大体レントゲンをとって「ここの腰椎が」というふうに診断をされることがほとんどのようです。
ちなみに私は坐骨神経痛になった時に病院へ行っていないので、詳しい診断は分かりません。
治療法やリハビリは?
まずは症状を和らげることが最優先されますので、投薬による痛みの緩和、ブロック注射、運動療法、脊髄刺激療法などたくさん種類はあります。
投薬やブロック注射でも治ることはありますが、私は、身体と心のクセのパターンが治らないと再発すると思っています。自分でもそれを痛感しているのでなおさらそう思います。
ので、どうしても痛みのひどい方は、投薬や手術で痛みをなくしたあとに心と身体のクセを直していくのがよいかと思います。治癒が難しいのは、投薬や手術で痛いのが治って、その後に何もしない人。
確実にまた痛くなって「薬が効かない!」って騒ぎますからねこういう人。そういう人ってダイエットも失敗します。
なんで言われた通りやってるのに痩せないんだ!
って騒ぎます。うーん。話が逸れました。
私が座骨神経痛になってから治るまで
ある日突然”肉離れ”かと思うくらいの激痛
それは確か春の陽気溢れる気持ちの良い日でした。走っていて突然ピキッと自分の中で痛みが発生、そのまま座り込むくらい激痛が続きました。
家から距離があるのに。そこから脚を引きずりながら帰りました。いやあ痛かったあれは。
中学校の頃にひどい肉離れをやっているので再発したか?とか思ったのですが、なんと次の日にあまり痛くないという有様。なんだったのだろうとおもったのですがが、その日走るとまた激痛が。
坐骨神経痛ってこれかとその時初めて認識しました。
坐骨神経痛の時の自分の状態をチェック
この時自分の身体がどういう状態なのか、良い勉強の機会だと思って見てみました。
まずは前屈やSLR(仰向けになって膝を伸ばしたまま脚を上げていく)で痛みの度合いをチェック。もはや前屈はほぼ行かないし、脚も少し上げると痛みが走る状態。これはなかなかです。
次に身体の姿勢全体のくずれのチェック。坐骨神経痛になるとどこがどう崩れるんだろうなあと思いながら見ていくと、どうやら腰椎の下の方が変位している様子。
腰椎の4番なのか5番判断するために、腰椎4番は内臓で言うと大腸のS状結腸という部分に、腰椎5番は同じく大腸の結腸という部分に反応するので、該当部分を押圧してみると、S状結腸の辺りに痛みがあるので、どうやら腰椎4番が変位しているようです。
今回は経絡チャートからの判断をしましたが、メリックチャートや腰椎の働きから判断する方法もあります。
そして、腰から腿の裏、膝の裏、ふくらはぎと皮膚の感触を触って確かめると、あることに気づきました。
私が感じた坐骨神経痛の正体とは
ここで私が感じた坐骨神経痛の正体とは、硬さのバランスということです。
例えば
- 腰・・・・・柔らかい
- お尻・・・・柔らかい
- 腿の裏・・・硬い
- 膝の裏・・・柔らかい
- ふくらはぎ・硬い
と、硬さにバランスの崩れがある場合、硬いところって「ぎゅ〜」って硬く緊張しちゃうので、皮膚も硬い部分に「ぎゅ〜」って集まってきます。
そうすると、関節辺りの皮膚は突っ張るんですよね。すると、その関節はそもそも動きづらい状態になるんです。
その状態が続いたり、もっともっとバランスが崩れだすと「これ以上動かさないで、辛いよ〜」と身体がメッセージを発し、私たちは「痛い」と知覚します。
この場合は、ただただ筋肉をストレッチするのでは治らないなと思いました。なぜならば、筋肉だけではなくて、皮膚も硬くなっているからです。
そこで、関節や皮膚まで含めた関節運動の中で「痛い」と思わせる身体のロックを解いて行こうと思ったわけです。
私が行って坐骨神経痛が治ったストレッチとは
言葉で言うと難しいので、私が実際に行ったストレッチを紹介します。
まずはこのようにももと胸をぴったりとくっつけて、手で体を寄せます。この姿勢すら最初は辛かったのですがまあ気合いでしたね。
そのモモと胸ビターンを保ったまま可能な限り膝を伸ばし、お尻を上げていきます。これ大切ね。離れない。
これが悪い例。離れてしまうと関節の連動連鎖が途切れてしまい、硬さの均等はいつまで経っても取れてきません。
私はこれを3日間暇さえあればやりまくっていました。ちなみにこれ、ギックリ腰なんかにも効果的なので、困っている人は暇さえあればやりまっくてみてください。
バランスの回復が何よりも大切
私がこのストレッチを理由としては、先述した通り、これが一番関節や皮膚まで含めて身体の硬さを解いて行けるなと思ったからです。
やっていると、人によって突っ張りを感じるところが違います。膝の裏が突っ張ると感じる人もいればお尻がという人もいる。
理想的な形としては突っ張りが腰から膝の裏まで一緒になることです。
ゆっくりとしたペースで10回をセットにして、暇さえあればやる。
何セットやれば良いですか?と聞いてくる人がいますが、人により違うのでこればかりは自分のライフスタイルで変えるのが良いと思います。
個人的にセッションしている方には具体的に提示しますけどね求められれば。
私はただ早く治したかったので暇さえあればやっていたんです。そしたら3日で全力ダッシュオッケーになりました。ただそれだけの話です。
坐骨神経痛で苦しんでいる人へ
色々な治療があるので、もちろん私はこの方法が絶対とは微塵も思いません。ただ、この方法で一人でも症状が改善したら嬉しいです。なんせこの方法で治った張本人が私ですから。
スポーツの世界も医学の世界も日々言うことが変わっています。
最近とか、「コレステロールはどれだけあっても害ではない!」と発表されましたよね。それくらい簡単に覆るんです、色んな事が。だからこそ、私は自分の体験が全てと思っています。
以前の記事にも書いたのですが、私は基本的に今の医学やスポーツ科学に半信半疑です。「疑」の部分、つまり「問い」を持ち続けることで、自分で経験したときに「なるほど!」と腑に落ちることを何度も体感しているからです。
基本的にセッションの現場では”教科書通り”って皆無です。
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すごくシンプルな事を私はいつも思っていて、「身体を動かしていて痛み出したのだから、身体を動かして痛みは消えるはず」なんですよ。
動かす方法を変えるのか、動かす量を変えるのか。ただ「動かす」ということは根底として変わらない。
自分の身体を自分で治せた!と感じたとき、また一つ、自分の事を信頼出来るようになっているはずです。
少しでも坐骨神経痛で苦しんでいる人の痛みが和らぎますように。

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。