ダイエットのための運動と言えば、ランニングやウォーキングを思い浮かべる人が多いでしょう。
この記事では、ランニングやウォーキングと同様にダイエット中に行う有酸素運動として効果的な、自転車こぎ(サイクリング)をご紹介します。
自転車こぎは、下半身を多く使うので、全体的に痩せないのではないか、脚が太くなってしまうのではないか、といった疑問についても解説をしていきます。
自転車こぎはダイエットに効果的?
自転車こぎは、有酸素運動として行えばダイエットに効果的ですが、こぎ方を変えると筋トレに近い運動になります。
うまく有酸素運動の効果をだしながら、太ももを太くしないためにも、目的にあったこぎ方を覚えましょう。
有酸素運動的効果はある!脂肪燃焼に良い
有酸素運動とは、体内にある糖質や脂質を酸素を使って消費し、長時間継続できる低〜中強度の少し辛いと感じるくらいの運動です。
自転車こぎを長時間継続できる強度で行なった場合、自転車こぎは有酸素運動になるので、脂肪と糖質を燃やしてくれるダイエットに効果的な運動と言えます。
また、有酸素運動として行なった場合には、筋力強化の効果はほとんどないため、太ももが太くなる心配はありません。
無酸素運動的な効果(筋トレ的)は限定的です。下半身鍛えるには良い
有酸素運動はある程度継続できる(20~30分以上)、比較的に軽い強度である必要があります。
競輪のように思い切りこぐと、1分も継続することは難しいでしょう。
マラソンと100m走の関係と同じように、このような短い時間しか継続できないような強度でこいだ場合には、自転車こぎは無酸素運動になり、筋力の強化をすることが可能です。
この場合には、主に太ももが強化されるため、太ももが太くなる可能性があります。
ランニングや徒歩とはどちらがダイエットに良い?
代表的な有酸素運動として、ランニングや徒歩などの道具を使わない物があります。
自転車を持っていなかったり、ジムでエアロバイクをこぐ機会がない場合には、そういった有酸素運動を選ぶことが多いでしょう。
それではランニングのような有酸素運動と自転車こぎ、どちらの方がダイエットに向いているのか確認してみましょう。
有酸素的な効果はさほど変わらない
どちらの運動も、有酸素運動としての効果はあまり違いがありません。
有酸素運動中は、主に糖質を脂質をエネルギーとして消費しますが、この糖質と脂質のどちらが多く使われるかは、運動の強度に依存しています。
強度が低い段階では、糖質と脂質が同じくらいの割合で消費され、強度が上がるにつれて、徐々に糖質が消費される割合が多くなります。
そのため、ランニングであっても、バイクであっても、その効果はどれだけの強度で実施するかのよるため、どちらが明確に優っているということはありません。
脂肪だけを狙いうちするなら「徒歩」が良い
徒歩は有酸素運動の中でもとても強度が低い運動のため、エネルギーとして脂肪を消費する割合が多いです。
なるべく効率よく脂肪を消費したい場合には、徒歩がおすすめです。
徒歩は体にも負担が少ない運動ですので、運動初心者の方やランニングが難しい場合にも行うことができます。
しかし、例えば食べ過ぎでしまい、たくさんのエネルギーを消費したい場合には、よりたくさんのエネルギーを消費できるランニングや自転車こぎがおすすめです。
自転車ダイエットで痩せる部位は?お腹が痩せるかどうかは「食事」かも
体脂肪は、部分的になくなる事は基本的にはありません。
ですので、自転車こぎを行う事で、全身の体脂肪を少しずつ消費するので、下半身のみでなく全身のシェイプアップをすることができます。
脂肪はたくさん動く場所には付きにくいという考え方もあります。
例えば、関節などには脂肪はあまり付きませんし、座りっぱなしの人であれば下半身や背中に脂肪がよくつく傾向にあります。
自転車の場合、主に動かすのは下半身ですので、下半身の脂肪が落ちやすいと考えて自転車こぎをする人もいます。
しかし、たくさん食べて1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまっては、せっかく自転車こぎをしてエネルギーを消費したとしても痩せる事はありません。
自転車こぎをして効果を出すためにも、食事を見直すことも忘れないでおきましょう。
自転車ダイエット成功の方法
それでは自転車ダイエットは、どれくらいの時間、どれくらいの強度で行えばよいのか。
そしてどのようにこいで、どれくらいの期間を継続すればよいのか。
自転車ダイエットを成功させるためのポイントを解説します。
何分間くらい時間は必要?15分以上はやろう
ダイエットのためには、何分くらい自転車をこげば良いのでしょうか。
以前は、有酸素運動は20分以上連続で行わないと脂肪が消費されないと言われていましたが、最近では10分を2回別々に分けて行っても効果は変わらないと言われています。
まずは体力レベルに合わせて、水分補給をしながら無理のない範囲で行いましょう。
5~10分だと少し体が温まる程度なので、慣れてきたら15分以上を目標に、長くて1時間ほど行いましょう。
強度はどれくらい?筋肉はお尻を意識して
強度は、有酸素運動として行うので、少しキツイと感じる低〜中強度で行います。
これは感覚で問題ありません。
また、ウエアラブル端末などで心拍数を確認できる場合には、脂肪燃焼に適した心拍数を参考にしてみましょう。
目標心拍数=(最大心拍数※-安静時心拍数)×0.4~0.6+安静時心拍数
※最大心拍数=220-年齢
脂肪燃焼に適した心拍数は、上記の式で求めることができます。
年齢30歳で安静時心拍数が70の人の場合の目標心拍数は
(220-30-70)×0.4~0.6+70=118~142
になります。
実際に行っていただくとわかりますが、思った以上にこがないと狙った心拍数に届かないと思います。
この心拍数を維持できれば良いですが、維持が難しい場合にはこの心拍数を下回っても良いので、一定時間継続できる強度で行いましょう。
また、使う筋肉を意識せずに自転車にこぐと、ほとんどの方が自然と前ももを使ってしまいます。
バランスよく下半身を使いためには、お尻の筋肉を意識しながらこぐようにしてみましょう。
そのためには、ペダルにはつま先ではなく母指球を乗せてこぐのがポイントです。
おすすめの自転車の種類は?クロスバイクやロードバイクの方が良い?ママチャリでもOKです?!
自転車こぎをするときには、どんなタイプの自転車が良いのでしょうか。
一般的なママチャリの場合、サドルが低い位置にあるため、ペダルを回す時に膝が大きく曲げてこぐ形にになり、もも前の筋肉が多く使われます。
クロスバイクやロードバイクはサドルが高いため、ママチャリに比べ膝があまり曲げずにこぐことができるため、お尻ともも前の筋肉をバランスよく使いやすくなります。
とは言え、クロスバイクやロードバイクを所有している方は少ないと思います。
ママチャリしかない場合には、安全に走行できる範囲でサドルを高くしてこげば、擬似的にクロスバイクに近い形でこぐことができますので試してみてください。
自転車のギアの重さはどれくらい?大切なのは「適切な回転数を維持すること」です
ギア付きの自転車の場合はどれくらいの重さにすれば良いのでしょうか。
ここで思いだしていただきたいのが、どんな運動が有酸素運動であったかということです。
有酸素運動は長時間継続できるくらいの強度で、ある程度の時間を継続する必要があります。
ギアが重すぎて、継続が困難になってしまっては有酸素運動ではなくなってしまうので、ある程度回転数を維持できる、楽〜少しきついくらいの重さにして行いましょう。
自転車ダイエットの効果が出て来る期間は?
自転車ダイエットの効果は、早ければ1ヶ月もすれば出てくるでしょう。
しかし、効果がなかなか出ない可能性もあります。
効果が出ない理由は、自転車に乗る頻度や時間が少ないことと、摂取カロリーが多すぎることの2つです。
頻度や時間が少なければ、それだけ効果がゆっくり出るためなかなか効果を感じづらいでしょう。
摂取カロリーが多いというのは、食べすぎてしまっているということです。
いくら運動をしたとしても、食べすぎてしまっては痩せることは難しいでしょう。
自転車ダイエットで「痩せない」を防ぐ2つのポイント
自転車ダイエットをしていても、効果がなかなか表れない場合があります。
そんな時には、以下から解説する2つのポイントを確認してみましょう。
1.運動は痩せても痩せなくても「継続する」ことが大切
残念ながら運動の効果は、頻度や強度にもよりますが、すぐに効果が出るものではないので、「継続する」ことがとても大切です。
週2回軽く有酸素運動をした場合、効果を感じるためには、1~2ヶ月ではなく、半年かそれ以上の期間を必要とします。
それだけゆっくりと変化すると、1週間や1ヶ月では効果を感じないかもしれません。
効果を感じないのであれば、やる気も維持するのが難しくなり、継続する意味を感じなくなり、もしかしたらやめてしまうかもしれません。
そんな時はこう考えてみてください。
見た目や数値の変化が少なくても、今までしていなかった週2回の運動を1ヶ月、2ヶ月と継続していたのであれば、その分体は必ず変化をしているはずです。
ゆっくりで感じづらいだけで、効果は出ていると信じてもう少し頑張って継続をしてみましょう。
2.痩せるかどうかは「食事」がめっちゃくちゃ重要ということを知る
そして忘れてはならないのが、「食事」です。
ダイエットを成功させるためには、1日の消費カロリーが1日の摂取カロリーよりも多くなる状態を継続しなければなりません。
自転車こぎは、1日の消費カロリーを増やす運動です。
例えば、1日に基礎代謝(何もしなくても体が自動的に消費するカロリー)が1500kcalの人がいるとします。
この人が毎日300kcal分自転車こぎを行うと、1日の消費カロリーは1500kcal+300kcal=1800kcalになります。
しかし、この人が1日に2000kca摂取していたとしたら、毎日自転車こぎをしたとしても、2000kcal-1800kcal=200kcal分太ってしまい効果が出ません。
自転車こぎをしても効果を感じない時は、食べすぎていないか、食事を見直してみましょう。
自転車ダイエットを加速させるアプリはある?
実際にどれくらいカロリーを消費できたのかを確認できれば、より確実に自転車ダイエットの効果を出す事ができます。
そんな時に便利なのが、スマホのアプリです。
いつも持ち歩いているスマホにアプリを入れて、自転車の走行距離や消費カロリーを確認しましょう。
このアプリではサイクリングだけでなく、ウォーキングやランニング等の走行距離や消費カロリーの表示、記録されるので、1つで様々な運動に対応することができます。
消費カロリーを確認することで、食事も頑張ろうという気持ちにもなるので、ぜひ利用してみてください。
自転車を有効活用してダイエットを楽しく!
ダイエットで大切なのは「いかに習慣化をしていくか」ということになります。自転車ならスピードも出て楽しさをウォーキングやランニングよりも感じやすいという人もいるのではないでしょうか。
もちろんダイエットには「食事」がものすごく大切ですが、こうした楽しみながらできる運動というのはとても助かりますよね。ぜひぜひ取り入れ、楽しくダイエットをしてみてください。

所持資格は日本ホリスティックコンディショニング協会フィジカルコンディショナーと日本栄養コンシェルジュ協会の栄養コンシェルジュ。栄養学や解剖学を基にした、ボディメイクを目的とする筋トレや食事指導が得意です。ボディビル雑誌からも日々インプットしています。