中年のダイエットは痩せない?いえいえ、そんなことはありません。適切な運動や食事方法を選択していけば男性でも女性でもしっかりとダイエットすることが可能です。食事や運動の方法、中年ダイエットで効果を出している方のブログの紹介をしていきたいと思います。
中年はダイエットしても痩せない?
「若い頃はどんなに食べても太らなかったのに」
「最近お腹が出てきて」
そんなお悩みを聞くことが多い年代です。現にそう言った悩みを持って相談に来られる方もいます。そもそもこの年代の太りやすく痩せづらい原因とは何なのでしょう?一般的に言われている原因と、私が実際のセッションで感じた原因を見ていきたいと思います。
中年太りの原因は?
一般的に言われている中年太りの原因としては
・ 筋力の低下
・ ホルモンの変化
が挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
筋力の低下
年齢と共に、どうしても筋力の低下が起こります。筋力だけではなく、筋肉の張り(筋張力)、筋肉の厚さ(筋厚)なども変化します(形態的特徴の変化と言います。)高齢女性と若年女性の筋肉の筋横断面積を比較すると、高齢女性は若年女性に比べて筋横断面積で約1/2、膝を伸ばす力も約1/3になることが研究で明らかになっています。(池添他,2007)
筋力の低下というのは、同時に消費エネルギーの低下も招くので、今までと同様の食事や運動だと、余るエネルギーの量が増加するので、体型や体重の変化をしやすいとうことになりますね。
ホルモンの変化
女性ホルモンの変化というのも原因の一つとして挙げられます。見た目的にも「お腹ぽっこり」になりますし、皮膚のたるみも目立つ様になります。ホルモンの乱れや現象は他にも色んな症状を招きます。
脳 | アセチルコリンなどの神経伝達物質が減少しますので、 認知機能も低下します。 |
毛髪 | 髪のコラーゲンが失われる。潤いもなくなり、血行も悪くなりやすい。 ひどいと抜け毛の原因にもなる。 |
お肌 | コラーゲンの生成量が減少するので、お肌の弾力や保水力が低下する。 たるみやシワの原因になりやすい。 |
血管 | 血管のしなやかさが失われる。 動脈硬化のリスクが高まる。 |
脂肪 | 皮下脂肪よりも内臓脂肪の方がつきやすくなるので、お腹がぽっこりと出て来やすくなる。 |
口の中 | 口腔内の免疫低下が見られる。 |
関節 | 関節の潤滑油が少なくなるので関節炎が起こりやすくなる。 |
骨 | 骨がもろくなるので骨粗鬆症のリスクが上がる。 |
膣 | うるおい低下や萎縮が見られ、膀胱炎や性交痛になりやすい。 |
こんさんから見る中年太りの人の特徴は?
ここまでは一般的な中年太りの原因を見てきました。次に私がセッションをしていて感じる、中年太りをされている方に共通する事を述べていきます。
腰骨のくずれを持っている
特に腰椎の3番目が姿勢の崩れなどによりコリが発生している人は中年太りをしやすい傾向にあるように感じています。(※現場ベースのお話です)腰椎3番というのは生殖器、つまりホルモンの部分と関わりますので、前述のホルモンの変化にもつながることですね。
また胸腰移行部といって、胸椎と腰椎の境目あたりが崩れている方も経験上多いです。胸椎の1番下の部分である胸椎12番は内臓は腎臓、筋肉は腸腰筋に関わります。ここに問題があると、むくみや睡眠障害、髪のハリやボリュームの問題などが出てきます。これらの症状とセットでお悩みの方はこちらのくずれがあると思われます。
肩甲骨が動きにくい
肩甲骨の間というのは、褐色脂肪細胞という、代謝のスイッチがあります。ここが活性化することで、代謝が活性化するのですが、中年太りに悩む人は肩甲骨がかなり動きづらいです。
肩甲骨が動かなくなる原因は
・肩が原因の場合
・目が原因の場合
・骨盤が原因の場合
など様々ですので、その方に合わせた姿勢全体のくずれの修正をいつもしています。
受動的なことが多い
そしてなぜか気持ちが受動的な方が多いように思います。ダイエットをしていくには自分で身につけたい習慣を能動的に選択していく必要があります。とは言っても身体同様、今まで心の使い方を受動的にしてきたからそうなっているので、そこも身体同様、習慣を少しずつ変えて頂けるようセッションでは方法を提案しています。
とこの様に、一般的に言われているところだと、「で、どうすれば良いの?」となると思いますが、実際にセッションをしていると、その細いところ(例えば腰骨のくずれ等)が見えるので、その修正をしながらダイエットを行うとより効果的に進めていくことが出来るんです。
「私の何がどうなって姿勢全体が崩れているの?」というのは気軽に個別相談してください。
中年太りのダイエットを実施する前に姿勢改善の運動を!
先ほど述べた通り、一般的に言われている理由の他に、私が実際のセッションで感じている原因に、姿勢の悪さがあります。細かく見ると個々で違いがあるので、本来ならオーダーメイドにしたいところですが、それはご縁のある方のセッションで行うとして、ここでは一般的な姿勢改善のエクササイズを紹介したいと思います。
なぜ姿勢を改善する必要があるの?
姿勢を改善する理由は、ここでは主に3つです。
・代謝を上げる
・美しいラインのため
・気持ちも前向きに
ひとつひとつ項目を確認していきましょう。
代謝をより上げるため
姿勢を機能的にしていくことで、代謝を上げることが可能になります。基礎代謝の6割は内臓で行っているので、この内臓を活発化させてあげるだけでも代謝が高まるのは予想がつくかと思います。
ちなみに代謝の多くは肝臓で行われます。肝臓は経絡チャートにおいて胸椎の8番目と関わりがあり、筋肉は大胸筋と関わります。(メリックチャートにおいてはまた別です)この大胸筋がきちんと働くかどうかというのを、私はダイエットをしたい!という人にはチェックを行います。チェックでは筋反射チェックを用います。
美しいラインの為
姿勢が良くなるということは、直接的な見た目の改善にもつながります。同じ体格の人でも、猫背の人とそうでない人を比べると、どちらが「美しく見えるか」は一目瞭然ですよね。
気持ちも明るくなる
姿勢が良くなると視線が持ち上がります。猫背の人って視線も下に向いていてなんだかしょぼんとしていますよね。1日猫背で暮らしてみるとよくわかるかと思いますが、猫背の姿勢って視線だけではなく、気持ちや思考まで下向きになります。気持ちも明るく保つためにも姿勢を改善していく必要があるんですね。
簡単姿勢改善エクササイズ3選!
ではここからは、具体的な姿勢改善のエクササイズを紹介したいと思います。どんな方にも対応するエクササイズですが、細い姿勢の崩れに関しては他にも行う必要があることをあらかじめご了承ください。
1.カラダでアーチ
このブログで何度も登場しているエクササイズです。仰向けに寝てバンザイをして、そのままお尻を思い切り上げていくエクササイズです。
まっすぐの状態であげることが出来れば、適切に背骨に刺激が入るので、背骨から出る神経回路がしっかりし、崩れがすっきりとします。10秒間キープすれば十分です。3セットほど行います。
2.レッグレイズ(腸腰筋ver.)
普通のレッグレイズなのですが、つま先を外側に向けるのが特長です。腸腰筋というのは股関節外旋位、つまりつま先を外側に向けることで機能します。
腸腰筋は、骨盤を適度に前傾させる働きがあります。適度に前傾しているというのが骨盤の最適なポジションと言われているので、この腸腰筋の活性化はそのポジションの維持に大いに役立ってくれます。
というわけで、つま先、しっかりと外側に向け続けて下さいね。
3.合掌スクワット
1と2のエクササイズで身体のまっすぐの感覚を作ったら次は意識的なまっすぐを作っていきます。合掌するというのは、身体を内側に集めることです。身体を内側に集めると、意識も内側に集まりやすいです。
この内側にある意識というのは、軸と置き換えることも出来るし、この意識が働くことでインナーマッスルがすごく働いてきます。ただ足を鍛える意味でのスクワットではなく、姿勢と、内側への意識を作る目的でのスクワットになります。
中年太り解消のための運動方法や食事は?
具体的な運動を部位別に紹介していきます。気になる部位のものを徹底的にやっても良いですし、全部やってやる!という方はストレスに感じない程度に頑張ってみてください。「続けられそうな頻度と強度」というのを探りながらやってみると三日坊主にもなりにくいと思います。
部位別ダイエットエクササイズ
それでは部位別のダイエットエクササイズです。今回は
・お腹
・二の腕
・背中
・脚
・顔
この5つの部位でエクササイズを行っていきましょう。良い動画があればセットで紹介したいと思います。
お腹
お腹に関してはベーシックなカールアップで十分です。初心者の人は「骨盤後傾」という感覚がわからないと思いますので、少し足で踏ん張ってお尻が地面から離れないくらいに持ち上げるのがポイントです。
詳しい記事も別にあるので参考にしてみてください。
目指せくびれ!女性だって初心者だって。腹筋を腰を痛めず行う3つのポイント。
二の腕
"ふりそで"と例えられるほどぷよぷよしている方は気になるところでしょう。二の腕単体で鍛えるというよりは、腕全体を鍛えた方が効率も良いので、膝立て伏せや板のポーズをおすすめします。
【膝立て伏せ】
しっかりと体をまっすぐに保って
下まで体を落としていきます。
【板のポーズ】
腕立てのこのポーズで止まることを板のポーズといいます。この姿勢も腕に刺激が入るので初心者の方はおすすめです。
背中
人の皮膚は1枚で全身につながっています。背中の皮膚がたるんでくると、背中→首→頭→顔という後ろからの流れがあるので、顔までたるんでくるんです。よく、顔のたるみを引き上げるために、長い髪の毛を一つに結ぶというのがあるじゃないですか。あれ、頭の皮膚を後ろに引っ張ることで顔の皮膚を上げているんですよね。
というように、背中のたるみもそうですが、ここを改善することで顔のたるみの改善にもつながりますので是非チャレンジしてみてください!今すぐ出来るおすすめの種目としては肩甲骨を寄せる運動です。
万歳の状態から
肘を身体の中心に向かって寄せていきます。
10秒間くらいキープをしましょう。たまに背中がつりそうになるので注意が必要です。
脚
脚のトレーニングは代表的なスクワットとランジです。そしてそれで十分です。
スクワットはただただしゃがむだけで良いです。
詳しく知りたい方は詳しい記事をどうぞ。
ラン時は動画があったので参考にしてみてください。膝とつま先の向きをそろえることがポイントです。
顔
顔の中でも「口角を上げる」筋肉を鍛えていきます。
このように唇を噛んで
口角だけを上げていきます。
最初は下の写真のようになかなか上がらないですが頑張っていきましょう!素敵な笑顔が手に入ります。
あとはえくぼが出てしまうのは、違う筋肉も介入してしまっているので合っていません。えくぼは出ない程度に行っていきましょう。

えくぼが出ている例
食事で気をつけるポイント4選
食事で気をつけるポイントも押さえておきましょう。総じて「そんなに無理するな」がキーワードです。
【ダイエット成功の食事マニュアル】おすすめレシピや食材は?献立やレシピは?
タンパク質をしっかりと摂る
タンパク質は私たちの身体の構成要素です。筋トレをしても材料が無ければ意味がありません。筋肉だけではなく、臓器や皮膚、髪の毛、爪など、身体の様々な部位の材料になります。単に食事を制限するのではなく、必要なものはしっかりと摂るようにする。「制限」という表現より「選択」という表現を使いたいですね。
女性ホルモンに関わる食材を摂る
女性ホルモンを整える作用のある食材を積極的に取り入れることで、ダイエット中の体型の乱れや体調の乱れを防ぐことが出来ます。どれも食べ過ぎには注意ですが、1食で1品以上は入れたいですね。
大豆製品全般 | 大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンと同じ働きをするので ホルモンバランスを整えてくれます。 |
マグロ・カツオ | ビタミンB6が多く含まれる魚類は、女性ホルモンのひとつのエストロゲンに働きかけ、ホルモンバランスを整えます。 |
ナッツ類 | 脳下垂体や卵巣に働きかけて、ホルモンの分泌をコントロールしてくれます。ホルモンバランスの調整にも有効ですが、抗酸化作用で美肌効果もあります。 |
過度な制限は逆に毒
食事制限というと、炭水化物を極端にカットするようなイメージがありますが、これははっきり言って逆効果です。過度な制限をしてしまうと、逆に「エネルギーくれくれ」の状態になります。すると、少しのエネルギーを摂ったとしても余分に蓄えてしまうのです。だからこそ過度に制限はせず、まずは「いつもの8割」の分量を食べてみてください。
ご褒美Dayを作る
私が実際にお客さまにダイエットに取り組んでいただく場合、「9割ルール」や「8割ルール」というのを作ります。これ、何かというと、「1週間単位で8割の食事はしっかりしましょう」というもの。
つまり、1日3食摂る人は21食の8割なので16食はダイエット用に。残りの5食は好きに食べてよし。慣れてきたら9割に上げる。21食の9割なので18食はダイエット用。
1日2食の方は10食が8割。12食が9割。という感じです。こうすることで、1週間単位で食事の見通しが立てられるので、自分で「選択」していくことが出来ますよね。おすすめです。
中年太りのダイエットブログに学ぶ成功例!
実際に成功している人に学ぶというのはどの世界でも大切なことですよね。中年太りから痩せた!という人の事例を載せますので、是非参考に、モチベーションアップに見てみてください。
アラフォー女子の1ヶ月集中ダイエット
いろんなダイエットを短期で実践されているようです。下のURLは豆乳クッキーダイエットなるもの。実際に5ヶ月で7kgほどの減量に成功されていますね。
40日で5キロダイエット。食事(レシピ付)と体重推移の記録
ブログでは無いですが。最初のスタートがファスティングというなんともすごいスタートですが、その後の経過もしっかりとレシピとともに載っています。どんな食事を食べていけば良いのか?というのにとても参考になるページだと思います。
you are what you eat
49歳の方のダイエット日記!こちらの方も最高で20kgほどのダイエットに成功されています。日々のレシピも詳しくのっていますので大いに参考になるブログです!
継続は力なり
いかがでしたか?しっかりと原因を見つめて、計画的に姿勢改善→運動と食事というプロセスを踏めば、遅かれ早かれ結果は出るはずです。結果が出ないという人の共通点は「どれかをやりきっていない」ということです。
本当に自分は「よし!」と思えるまでやったか?それを常に自分に聞いてみてください。自分に自信をもって「やった!」と言える日が続いたならば、きっとあなたの身体は変わっているはず。是非いつまでも内外共に美しいあなたでいてください。

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。