ヒップアップのエクササイズにはスクワットなどがおすすめです。今回はヒップアップ効果が期待出来る筋トレを紹介していきたいと思います。また筋トレだけじゃなくストレッチも。中には寝ながら出来るものもあるので、生活の中に取り入れてみてください。
ヒップアップエクササイズを行う前に知っておきたい「なぜ」のお話
ヒップアップをエクササイズで行っていくわけですが、その前に知っておきたいことがいくつかありますので共有をしたいと思います。
ここを知らずにヒップアップに臨むのと知っていて臨むのとは結果が違ってくるはずです。
なんでお尻は太ったり垂れたりしてくるの?
そうそう、これです。
なんで私のお尻、気付いたらこんな状態だったの?
色んな原因が複合的に絡み合って現在のあなたの身体になっているんです。だからこそお尻が太ったり垂れたりしてしまう原因を確認していきましょう。
食べ過ぎ
やはり1番の原因はこれ。これはもう誰が考えても分かることだと思います。自分が1日に使用するエネルギー以上の資源があると、それは「余る」わけですから、身体に蓄積されますよね。
食べ過ぎは単なる量の問題だけではなく、「脂肪」の食べ過ぎなど質の問題もありますからね。厄介です。脂質は本当に「意外と摂っている」ものなので、計算などをして一度自分がどれくらいの脂質を摂取しているかを記録してみることをおすすめします。
そしてその脂質を、もし「惰性や習慣」で摂っているのならば今すぐ辞めるべきです。
どうしても甘いものが辞められないという人は奥底の問題もあるかもしれません。
確固たる目的のもとに摂る脂肪や甘いものだったら良いのですが(そういうのあまり聞いたことないですけど笑)、そうでなければ、ヒップアップしたいという目的においては、残念ながら邪魔になるだけです。
筋力の低下
お尻の筋肉というのは身体の中でも非常に大きな筋肉です。ここの低下というのは身体の代謝を一気に下げてしまいます。
お尻の筋肉は、歩く、走る、しゃがむ、立つなどの人間の動作のほとんどに関与してきますが、もちろんその時間が少なければ少ないほど筋力は低下しますよね。
日頃デスクワークという方は意識的に鍛えないと衰える一方であることはもうお分かりかと思います。
東洋医学の観方だと腎臓や膀胱の機能低下・機能異常
あまり知られていませんが、腎臓の機能低下や機能異常もお尻が急にやせ細ったり、ハリが無くなったり、形が崩れたりする原因の1つです。
腎の経絡というツボの流れは身体の裏側を通るので、当然お尻を通ります。そして腎は「生命力の臓器」と言われています。
年を取ると足腰が弱くなると言いますが、お腹はぽっこりしているのにお尻がどんどんやせ細ってくる人が多いですよね。これは腎の「生命力」が無くなってきている証拠。腎は経絡チャートにおいて「腸腰筋」という足を上げる筋肉とも関わります。お尻が痩せ細っているお年寄りが何もないところで転ぶのは腎の機能低下から腸腰筋が影響を受け、足が上がりづらいのかもしれないですよね。昔の人の観察力には脱帽です。
最近太ったのと一緒にむくみがひどいという方はこの症状(腎の経絡の異常)を疑います。
骨盤矯正も一緒に進めると綺麗なヒップになる?
ヒップアップエクササイズを進めるにあたり、骨盤矯正も大切なポイントになります。
なぜかというと、骨盤のくずれ(姿勢が悪いと背骨が曲がり骨盤の角度が崩れます)があると、お尻の筋肉が引き締まってきたときに、なんかお尻の形が左右で違うという問題が起こってくるからです。
骨盤のくずれについて確認をしていきましょう。
骨盤の左右差?
腰骨に手を当てて、左右の高さに差は無いか確認していきましょう。指1本分の差がある場合には要注意です。姿勢が悪く、骨盤全体の角度が水平ではなくなってしまっています。
改善のエクササイズとしては横向きに寝て足を上げるサイドアブダクションです。
この動画で概要をつかむことが出来ます。
動画に追加でポイントとしては、もっとつま先は地面に向けます。要は上げている足をもっと内側に捻るということです。
こうすることでもっと的確に目的の筋肉に刺激を加えることが出来ます。
ちなみにこれは、腰骨の高さが高い方に行います。低い方は行わなくても大丈夫です。
骨盤の前傾?後傾?
骨盤の過剰な前傾や後傾も要注意です。適度な前傾が1番お尻はプリッとして見えますし、身体の機能的にも望ましいです。
過剰の前傾は腰を痛めやすい原因ともなります。
過剰な後傾も、腰の曲がったおばあちゃんみたいな姿勢に見えてしまいますので、せっかくトレーニングをしていても・・・という感じです。はっきり言って損ですよ。
身体の機能としてはこの骨盤の後傾を上手く利用する方法もあるのですが、ヒップアップには向かない骨盤の状態でしょう。
特に多いのは骨盤の後傾ですので、改善のエクササイズを紹介したいと思います。
改善のエクササイズとしてはレッグレイズです。
仰向けで、膝を伸ばした状態で脚を上げていきます。
仰向けの状態から
脚を上げていきます。
ここで重要なポイントをひとつ!
腸腰筋というのは、股関節外旋位で働きます。
ということは?つま先は外側に向けます!
疲れてくるとつま先は真っ直ぐ天井に向きたがるので、外側に向け続けましょう。
参考記事:骨盤後傾の原因は?矯正のストレッチや治すための筋トレは?
前傾についての記事もあります。
参考記事:骨盤前傾の原因や治し方は?ストレッチやトレーニングなど改善方法も!
そして、もしこのエクササイズで腰が心配な人は腰の下に手を敷くと良いと思います。腰の負担の軽減になります。
骨盤のねじれ?
骨盤のねじれもよく見かける崩れです。
原因は様々あるので詳細は省きますが、一応改善のエクササイズを。断っておきますがこれで全てが治るわけではありません。
骨盤のくずれというのも人それぞれそうなった背景が違いますから、本来はオーダーメイドでトレーニングを提供したいです。
改善のエクササイズはカラダでアーチがおすすめです。
仰向けになってお尻を全力で上げます。
これを行なっている際に、ちらっと下を見て、自分のお尻の上がり方(腰骨の高さで判断)が左右対称かをチェックします。
もしどちらかが下がっていた場合には、そちらを上げる努力をしましょう。
1セット10秒で。このエクササイズはとにかく全力で行いましょう!
ヒップアップエクササイズ6選|寝ながら家でも出来る簡単筋トレ紹介
それでは、ヒップアップエクササイズを紹介します。どれも家で出来る簡単なものですので是非実践してみてくださいね。
ヒップアップにはどの筋肉を鍛える?
ヒップアップするには鍛えなくてはならない筋肉がいくつかあります。それを紹介していきます。
大臀筋
まずは「THE・ヒップ」というくらい大切な筋肉がこちら。ヒップアップはこの筋肉を中心に鍛えていくことになります。
お尻の中心となる筋肉ですのでしっかりと名前を覚えましょう。
【役割】
股関節の外旋(外に捻ること)、伸展(後ろに股関節を運ぶこと)、外転(中心から離れること)
中臀筋
中臀筋も大臀筋と似て大切な筋肉です。
中臀筋は骨盤を支える筋肉でもあるので、ここが弱いと左右に揺れるような歩き方となる場合も(トレンデンブルグ歩行と言います)。
小さく、鍛えるのは非常に地味ですがしっかりとやりたいところです。
【役割】
股関節の外転(中心から離れること)
寝ながら出来る種目
1.ヒップリフト
【やり方】
1.仰向けに寝ます
2.膝を立てて、片足をあげた状態にします。
3.そのまま足で身体を押し上げていきます。
4.ゆっくりとお尻を下げていきます。
5.動作を繰り返します。
有名なヒップアップのエクササイズですね。
もしこの動画のやり方でお尻に効かないな〜と思った場合、少しだけ足の置くところをお尻に近いところにしてください。
お尻を上げたときにスネの骨が地面に対して垂直になるところが、力学的に一番お尻に負担のかかる、つまりお尻に効くポジションです。
膝の角度が緩いほど腿の裏に効きますし、膝の角度がキツイほど腿の前に効きます。
膝の角度の調節で効くところを変化させることが出来ますのでお試しください。
2.ヒップエクステンション
これも有名なエクササイズです。
【やり方】
1.うつ伏せになります。片足の膝を伸ばしたまま脚を上げていきます。
2.勢いを使わずに上げ下げをしていきます。
3.腰の力を使わないように足から上げていきましょう。
お尻の筋肉は股間節を外旋、つまり外側に捻りますので、上げる際にはつま先を少し外側に向けるとより効いてくるかと思います。
サイドアブダクション
【やり方】
1.横向きに寝ます。
2.上になっている足をゆっくりと上げ下げしていきます。
3.上になっている足の爪先は地面に向けます。
※押さえている手や脇腹の筋肉を使って上げないように注意が必要です。
先ほど骨盤矯正の時に紹介したこちらの種目もおすすめです。中臀筋というお尻の横側についている筋肉を働かせていくことが出来ます。
立って行う種目
3.スクワット
立って行う種目で1番なのはやはりスクワットでしょうね。
【やり方】
1.軽く左右に脚を開いて立ちます。
2.頭の後ろに手を当てて、椅子に座るように腰をおろしていきます。
3.ももが床と平行になるくらいまで下げたら立ち上がっていきます。
スクワットについては詳しく解説している記事もあるので良ければご覧ください。
4.ランジ
スクワットよりも少し強度の高いエクササイズです。
【やり方】
1.脚を前後に開いて立ちます。この時少し斜めにずらすと安定しやすいです。
2.手を腰に当てて、ゆっくりと体を沈めていきましょう。
3.後ろの膝がつくギリギリまで下げ、そこから立ち上がっていきます。
4.動作を繰り返しましょう。
つま先と膝の向きを合わせることがポイントです。
5.くるくるエクササイズ
壁に手をついて、膝を伸ばしたままクルクルと回します。
壁に手をついたところから
脚を上げてクルクルと回していきます。
回数を決めて行うのも良いですし、時間で行うのも良いでしょう。
6.ウォーキングもオススメ。
ヒップアップにはウォーキングもおすすめです。その際のポイントとしては「あと1足前に着く」ということです。
いつもよりも靴1足分前に着く。これがポイントです。そうすることでより大股になりますのでよりお尻の筋肉に刺激が加わります。
時間は20分〜を目安に行いましょう。お気に入りのプレイリストを聴きながらだとあっという間ですよね。
ヒップアップエクササイズを椅子使用でオフィスでも。
普段お仕事をされている方にとっては、オフィスなどでちょっとした時間でヒップアップエクササイズが出来たら良いですよね。
そんなときにちょっとだけエクササイズを用意してみました。こちらは動画ではありませんがご了承ください。
オフィス内で
1.立ち上がらないスクワット
椅子から立ち上がらないくらいまで立ち上がるというエクササイズです。
要は空気イスをしているような形になります。
スカートを履いている女性の方は難しいかもしれませんが、理想は少し開いて行う事。
立ち上がらないくらいに踏ん張るのがポイント。
5秒もやれば十分でしょう。5秒を5回行います。
2.スローで椅子から立ち座りをする
これはわざわざエクササイズの時間を取る必要もありません。
いつもの立ち座りをスローで行うというものです。
さすがに会議などの場では無理だと思いますが、日常業務の中での立ち座りでできる方はやってみてください。
これだけでも結構足腰を使います。
3.椅子でサイドアブダクション
椅子に手をかけてサイドアブダクションというのもオススメです。
真横というよりは、斜め後ろに上げる感じですね。
10回3セットを行っていきます。
休憩時間には
休憩時間にもし運動ができるのであれば、やはりスクワットやランジなど、たくさんの関節が動く運動がおすすめです。
ちょっと恥ずかしいならトイレで(実際お客様でもいらっしゃいました!)行ったりと、それぞれ環境に合わせて工夫をしてみてください。
ヒップアップのための食事は「高タンパク」が基本
ヒップアップだけに限ったことではないのですが、食事は「高たんぱく」を心がけます。
ではどれくらいが「高タンパク」なのかというと、自身の体重が基準となりますが、体重の1.5倍gは必要になります。
例えば50kgの女性であれば75gのたんぱく質といった感じです。これは十分量なので、必要最低限と言われたら体重gくらいです。
たんぱく質は「意外と取れていない」
結構食べてます!とセッションしていても聞きますがほとんどが「摂取出来ていない」ことが多いです。
体重の1.5倍のたんぱく質というのは結構キツイんです。例えば75gのたんぱく質をお肉だけで摂取しようと思ったら400g弱のお肉を食べなくてはなりません。それを毎日、です。
かなり意識して食事を組み立てないと厳しいのが分かって頂けたかと思います。
食べたもので体は出来ている。
有名な言葉ですが、「あなたは、あなたが食べたもので出来ている」のです。どんなに毎日運動を頑張っても、食事が崩れていては結局体は崩れます。それくらい食事のインパクトというのはものすごい。
だからこそ大切にしたいですよね。まずは「たんぱく質をとにかく摂取」することを意識して見ましょう。
「何にたんぱく質が多く含まれているの?」というのは、別記事に詳しくまとめあるので参考にしてみてください。
参考記事:タンパク質含有量の多い食べ物一覧!安いのは?コンビニで買える?ダイエットにはどれが良い?
ヒップアップエクササイズの効果はどれくらいで期待できるの?
ヒップアップに限らずに、筋トレの効果というのは、残念ながら一朝一夕で出るものではありません。
人間の細胞が入れ替わるのに数ヶ月はかかりますので、トレーニングの効果というのもそれくらいの時間がかかると思ってください。
ということは、本当に日ごろから気をつけないと、いつの間にか体型が・・・となりますよね。
是非今回紹介したエクササイズを日常に取り入れて、男性も女性も見とれるヒップを目指してみてください!

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。