仕事の付き合いやストレスで暴飲暴食をし続け早10年。
気づけば、2段腹を通り越して、まさかの3段腹に!
着たい服も着れないし、すぐ疲れるし、何よりもこんな自分が許せない。
何とかして3段腹を解消したい。
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
3段腹は単に脂肪が多くなっただけでなく、猫背や筋肉不足など様々な原因があります。
今回はそんな方のために、3段腹解消するための腹筋等筋トレの仕方から、
食事改善、姿勢改善などなどを書いていきたいと思います。
3段腹とは
3段腹とはお腹に脂肪が溜まり、お腹上の脂肪がお腹下の脂肪に3段重なっている状態です。
(お腹に線が2本入り、上中下に3層の脂肪が重なっている。)
ちなみに、お腹の真ん中に線が一本入り2層に分かれている脂肪を「2段腹」と言います。
3段腹の原因は?
脂肪過多
3段腹の原因は、何と言っても脂肪が多くお腹に溜まってしまうことです。
脂肪組織は筋肉とは違い、張力(引っ張る力)があまりありません。
なので、お腹周りに脂肪が多くついてしまうと、重力に耐えきれずに落ちてきてしまいます。
筋肉不足
筋肉不足も3段腹に大きく関係します。
上にも書いた通り、筋肉には一定の張力があります。
これが弱くなってしまうと(特にお腹周り)、脂肪の重みに耐えきれずにお腹の脂肪が落ち込んでしまうのです。
また、筋肉不足は代謝不足につながります。
代謝不足だと、1日に消費するカロリーも少なくなってしまいますから、脂肪が溜まりやすくなってしまう面もあります。
猫背などの姿勢不良
姿勢が悪くなってしまうと、3段腹がより強調されてしまいます。
特に猫背姿勢です。
試しに、背中を丸めてみてください。
どんなに体脂肪が少ない人でも、お腹に割れ目の線ができると思います。
筋肉があっても、脂肪が少なくても、姿勢が崩れていればそれだけで3段腹に見えてしまうこともあるのです。
食事の見直しを最優先に
3段腹解消のためにすべきこと。それはまず優先して食事を改善することです。
厳しいことを言いますが、なぜその3段腹になってしまったかを考えると、やっぱり口から摂取しているものが間違えているからです。
身体は自分が食べて、吸収したものからできていますからね。
それでは食の見直しを確認していきましょう。
3大栄養素をバランスよく食べること
バランスよく食べるというのは「炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル」といった五大栄養素をしっかりと摂取することです。バランスよく食べる理由は、食べたものを身体の為に「使えるエネルギー」にするためです。
エネルギーはカロリーという表現に変えることが出来ますが、カロリーとなるものは「炭水化物・タンパク質・脂質」の三大栄養素です。
これらの摂取の割合として意識することは、
1,タンパク質を最低でも自分の体重g分摂取する
2,脂質は全体のカロリーの3割前後をgに直す
3,残りを炭水化物
の3つです。
1,タンパク質を最低でも自分の体重g分摂取する
タンパク質の1日の必要量ですが「体重g」を最低でも摂取していかなくてはなりません。
例えば体重50kgの女性であれば、1日で50gのタンパク質を摂取していくことになります。
ここで注意しなければいけないのは、食材の重さ=タンパク質量でない、ということです。
「50gくらいなら毎日お肉食べてる〜!」とたまに言われるのですがそうではありません。タンパク質というのは「含有量」として計算されるので、「お肉の重さそのものではない」ということを知っておきましょう。
例えば、お肉だったら100g食べるとおよそ20g前後のちょっとのタンパク質を摂る事が出来ます。
先ほど、どれくらいのタンパク質が1日で必要と言ったか覚えていますか?体重gでしたよね。となると50gのタンパク質を摂取するには「250gのお肉」を1日で食べなければダメということになります。
結構な量ですよね?食事制限していた人にとっては有り得ない量かもしれません。
タンパク質は「お肉・魚・豆・卵」に多く含まれているので、今日からどの食品にどれくらい含まれているのか気にしてみると良いのではないでしょうか。
代表的な食品をここに挙げておきます。
食材 | 食べる量 | タンパク質の量 |
お肉 | 100g | 20g |
お魚 | 100g | 25~30g |
納豆 | 1パック | 9g |
卵 | 1個 | 4~5g |
2,脂質は全体のカロリーの3割前後をgに直す
例えば、目標体重を50kgとします。その体重の時の目標体脂肪を20%とします。
すると、体脂肪を除いた「除脂肪体重」というのは40kgになります。(50kgのうちの80%が除脂肪体重ですね)
その値に30をかけると「最低限摂取したいカロリー」が出てきます。この場合は1200kcalということに。その値の3割前後が脂質になるように調整します。
仮に脂質を25%で計算すると、
1200kcalの25%なので300kcalを脂質でまかないます。1g=9kcalとして脂質を計算すると、およそ33gの脂質を1日で摂取することになります。
こうして求めた脂質の量を出ないように食事を工夫する必要があります。やってみると分かりますが、ほぼ食材から摂取出来る油で充分ということが分かります。いかに過剰摂取していたかということですよね。
3,残りを炭水化物
現在60kg、目標体重が50kg、目標体脂肪率20%とします。
体重gの1.5倍のタンパク質→50kgの人は90g必要で、タンパク質は1gあたり4kcalとなります。すると90gのタンパク質は360kcalとなります。
さきほど、脂質は目指す体重の除脂肪体重で算出した場合の目安カロリーの25%でしたので、こちらは300kcalでした。
二つを合わせると660kcalです。これを1200kcal(目標体重・体脂肪になるための目標カロリー)から引くと残りが540kcalです。これを炭水化物で摂取していきます。炭水化物も1gあたり4kcalなので炭水化物は130g前後の摂取が必要となりますね。
というように、しっかり計算してみると「炭水化物も意外と必要」ということがわかるかと思います。なんでもかんでも制限はあまり良くない、ということですね。
ビタミン・ミネラル豊富な食材も
実は、上に書いた三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)はエネルギーがあるだけで使えるものではありません。
使えるエネルギーにするためには「ビタミン・ミネラル」が非常に重要になります。これらは、補酵素となり三大栄養素のエネルギーを使えるものに変えてくれるものなんです。
つまり、ただカロリーだけを気にするのではなく、その食事の中にどれだけ五大栄養素が多く含まれいる食材を選ぶという観点もとても大切になります。
※以下、五大栄養素がバランスよく食べるための選ぶべき食材の例は以下の通り
マ・・・豆類
ゴ・・・ごま、ナッツ類
ワ・・・ワカメなどの海藻類
ヤ・・・野菜類
サ・・・魚類
シ・・・シイタケなどのキノコ類
イ・・・イモ類
これらをプラスαとしてしっかり摂取できれば、食べたものがより効率的にエネルギーに変わっていきます。
筋トレも入れてみよう
1、まずはお腹を凹まして
3段腹を解消するためのトレーニングでまず重要なのは、何と言ってもお腹。
じゃあ、どうすれば効果的なトレーニングになるの?
そう思った方は、まず最初にお腹を凹ましてその状態をキープしてみてください。
お腹凹まし運動
このトレーニングの正式名称は「ドローイン」と言います。
お腹を凹ませることにより、お腹の中のインナーマッスルである腹横筋というところが働くのです。
図で見るとここ(青いところ)
↓
(参考 VISIBLEBODY)
腹横筋はお腹周りを、腹巻きやベルトのように一周回っており、お腹の中の圧力を高めて、引き締める効果があります。
よって、お腹を凹ませる運動をするだけで、お腹周りがスッキリ見えやすくなるのです。
ちなみに余談ですが、お腹には腹筋が「腹直筋・腹斜筋・腹横筋」3種類存在します。(写真向かって左側の腹部)
一般的に、腹直筋と腹斜筋はアウターマッスルと言われ、見た目でわかる筋肉です。(エグザイルさんみたいに腹筋が割れて見える筋肉)
ドローインのやり方
①お腹を凹ませたまま(おへそを背骨に近づけるように)、息を細く長く吐き続けます。(呼気とともにより、お腹が凹むように)
②空気を全て吐き切ったら、お腹をそこで10秒間キープします。
③呼吸を継続して行うが、お腹が膨らまないように凹まし続けながら呼吸をしていきます。(息を胸周りに溜めるイメージ)
④上の①から③を10回繰り返す。
2、大きい筋肉最優先
筋トレをして脂肪を落とす上で重要ポイントは「大きい筋肉を使っていくこと」です。
大きい筋肉を使うことによって、
・身体の代謝を上げ、食べても太りづらい身体にする
・メリハリある身体を作ることが出来る。
など、様々な良い効果があります。
今回は代表的な3つのトレーニングを紹介します。
腕立て
上半身をすっきりとさせるには腕立て伏せがおすすめですが、女性が最初から腕立て伏せをするのはきついと思います。ですので膝をついて膝立伏せをしていきましょう。
まず身体を一直線に保ちます。
そこからゆっくりと肘を曲げていきます。出来る人はみぞおちが地面につくくらいまで体を沈めていきます。
地面ギリギリまで下げたら、そこから手で身体を押し上げて元の姿勢に戻ります。これを繰り返しましょう。
ワイドスクワット
キング・オブ・エクササイズと言われるだけあって、お尻や脚等、下半身全般のトレーニングに最適なのはスクワットです。
その中でもよりお尻に効かせていくためには、「ワイドスクワット」を行っていきましょう。
この動画では「内もも」という風に書いてありますが、お尻にもしっかりと効いてきます。そのためにはつま先の向きに膝のお皿の向きを合わせてあげることが大切です。
1.肩幅よりも足幅を広くして立ちます。
2.下にある物を拾いに行く様にしゃがみます。
3.ももが床と平行になるくらいまでしゃがみます。この時勢いは使わずゆっくりとしゃがみましょう。
3.反動や勢いを使わずにゆっくりと立ち上がります。
慣れてきたら両手に重いものを持ち負荷をかけていきます。
スクワットが上手になってくると「自分が効かせたいところにしっかり刺激が入れられるように」なります。そうなってきたらダイエットもより簡単になってきますよ。
ステーショナリーランジ
スクワットに慣れてきたら、少し強度の高いランジに挑戦してみましょう。おすすめなのがステーショナリーランジという、足を前後に開いたままのランジ。動画ではダンベルを持っていますが、まずは自分の体重のみで行っていきましょう。
1.足を前後に開きます。少し大股くらいが良いと思います。
2.背筋を上に伸ばし、バランスを取ります。
3.勢いを使わず、身体を沈めていきます。後ろの膝が地面ギリギリになるくらいが目安です。
4.ゆっくりと2の姿勢に戻ります。目標の回数まで動作を繰り返します。
お尻に効かせるための工夫として、2のポジションの際に「前足のお尻を叩く」ということを行います。叩いたりさすったりすることで目的の場所を意識しやすくするのがポイントです。是非お試しください。
3、背中も鍛えて、姿勢(猫背)改善
猫背を治す筋トレを紹介していきたいと思います。
ポイントとしては「身体の裏側」なんですね。
身体の裏側の滞りが姿勢の崩れを生みやすくなるので、ストレッチでその流れを伸ばして改善したり、筋トレをすることで改善したりするわけです。
筋トレに関しても身体の裏側に焦点を当てて行っていきます。
仰向けになります。
手も万歳をしましょう。
そしてそのまま全力でお尻を上げて10秒ほどキープします。
これ以上無理!というくらい上げるのがポイント。
3セットほど行っていきましょう。
身体の裏側全部を使って支えてください。
実際に広背筋を鍛えていきましょう。
その他のパターン
広背筋は脇を締めると働くので、自宅で行う簡単なエクササイズは肩甲骨寄せです。
万歳の状態からしっかりと脇を締めていきましょう。
この状態で10秒から15秒ほどキープします。最初は背中がつるかもしれません。つったときは焦らずに身体を丸めてストレッチしてください。
5回ほど行うだけでも結構背中がきついと思います。1日1回もしくは2回行っていきましょう。
余裕があれば有酸素運動も
脂肪を落とす上で、有酸素運動はプラスアルファになります。
具体的方法を確認していきましょう。
効果的な時間の長さについて
一般的に言われるのが20分以上ですが、最初からこれを継続するのは本当にしんどいことです。
ので、最終的には30分以上を目指すとして最初は5分、10分、15分と長くしていきましょう。
もちろん「ストレス発散のため」の人は何分走っても大丈夫です。あくまでもダイエットを目的とする場合の参考にしてみてください。
効果的な距離の長さも時間と考え方は一緒です
距離も時間と考え方は一緒です。
最初は例えば「家から出て最初に見える曲がり角までは走ろう」というような出来るだけ小さい目標を立てていきましょう。
そこから徐々に伸ばしていけば良いだけの話です。最初から頑張る必要はありません。
1kmあたりにかかる時間が分かれば「30分走るには何km走る必要がある」ということも見えてきますよね。
のでまずは「1km」くらいからでどうでしょうか。そこから「2km」「3km」と距離を伸ばしていきましょう。
心拍数を上げる目安はどれくらいか
心拍数は、理想を言うと「隣の人とおしゃべりできるくらいのキツさ」と言われますが、最初からその強度だと辛いですよね。
時間・距離と同じく、出来るだけ小さく目標を立てることが大切。
ので、「ウォーキングと変わらないくらい」の速さで十分です。
特に初心者の人は心拍数は意識しなくて良いです。まずは1分でも最初の曲がり角まででも走ること。千里の道も一歩からです。
慣れてきたら「隣となんとかおしゃべり出来るくらい」まであげてみましょう。詳しくは計算式で出しますが大体130~140あたりを目指すとちょうど良いかと思います。
最近ではスマートウォッチなどにも心拍計がついているので測定はしやすいですよね。活用してみるのも良いでしょう。
早朝か夜か。時間帯はいつだ?
時間帯も、言う人によって早朝が良いとか夜が良いとか色々言われていますが、私はまずは「いつでも良い」と思います。
いつでも良いのは確かなのですがしかし、自分のライフスタイルの一部にしていくならば、「一度どちらかに決めたらそちらでやり続ける」と良いと思います。
時間帯を揃えることで脳が「あ、これは習慣なんだな」と感じやすいのです。
諦めず、行動してみよう!
以上が3段腹解消のためのおすすめ法です。
その中で共通して大切なことは、何と言っても諦めずに行動すること。
お腹周りに、脂肪が多くついているとそんな自分から早く脱却したくなりますが、焦りは禁物。
一気に頑張りすぎて、燃え尽き症候群になりやすく、またあまり効果も見られないという事態になってしまいがちです。
そもそも、長期間かけて溜め込んだ脂肪を短期間でなんとかしようとすれば、当然身体に無理がかかりますし、簡単に成果が出るほど甘くはありません。
自分ができるペースで行動を継続し、コツコツと脂肪を落としていくことが3段腹解消のための近道と言えるでしょう。
まとめ
1.食生活を見直す。高たんぱく質、低脂質を心がけるだけでも違ってくる(ちゃんと食材の栄養素を知ること)
2.筋トレを取り入れてより効率的にダイエットを進めていく。
3.余裕があれば有酸素運動も入れるとさらに効率的。

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。