沈黙の臓器とも呼ばれる肝臓。
この肝臓は解毒やエネルギーの貯蓄などの様々な役割がありますが、機能低下の症状がわかりづらいのが特徴的です。
今回は肝臓の役割や、美容・ダイエットとの関係性について、また肝臓の機能を低下させない方法をご紹介していきます。
ダイエット・美容と肝臓の関係性
肝臓の機能が低下すると、美容面やダイエットにも大きな影響を与えていきます。
ここでは3つの点を確認していきましょう。
1、肌のくすみや肌荒れの要因に
肝臓の解毒作用が弱まると血液の中に老廃物が含まれたまま体内を巡ることになります。そうすると、肌の色が悪くなったり、肌荒れになってしまうんです。
また、食べ物の栄養が体に行き届かず、ビタミンやたんぱく質の不足から肌のくすみの原因になります。
2、脂肪の蓄積
肝機能が低下すると、本来解毒されるはずだった老廃物がろ過できなくなるため、代謝しきれなかったエネルギーは脂肪として貯蓄されていきます。
3、慢性的な身体の疲労
肝臓の機能低下により、身体の老廃物が体内に溜まっていくことにより、疲労を感じるようになります。
これは老廃物の蓄積により、脳が体を休ませるように指令するためとも言われています。よって、身体の動きが悪くなり、疲労感を感じるようになるのです。
肝臓の役割と機能
肝臓は横隔膜のすぐ下に位置し、右胸の下に存在ます。
(参考:VISIBLEBODY)
重さは、大人約1キロほどあると言われ、人体で最大の臓器です。
そんな肝臓は主に3つの役割があります。
1、血液の調節と栄養の貯蔵
肝臓は食事から摂取した糖質やたんぱく質、脂質を体内に貯蓄し、必要に応じてエネルギーに変換していきます。
2、胆汁を生成と分泌
胆汁は肝臓の中で常に分泌されている物質で、主に脂質の乳化とたんぱく質の分解をする機能があります。
肝臓に障害が起き、胆汁の流れが悪くなると、血液中にビリルビンという色素が増え、皮膚が黄色くなる黄疸と呼ばれる症状を引き起こしてしまうのです。
3、解毒作用
アルコールや薬、老廃物などの有害な物質を分解し、無毒化していきます。
必要以上にアルコールや薬等を摂取していると肝臓の解毒が追いつかず、肝臓に大きな負担をかけてしまうのです。
肝臓の働きをよくする方法
食事
肝臓の機能をあげるときに重要な考えは何を食べるかよりも先に何を食べないかを考えていくことです。
つまり、大量に解毒が必要になるような食品を極力避けていくということ。
具体的には
・加工食品
・アルコールや薬
・トランス脂肪酸
などを避けていくことが大切。
これらの食品を多く摂取しすぎると、肝臓に大きな負担をかけていくため、まずはこれらを控えることに注力してみましょう。
その次に意識することが「まごわやさしい」という食材を中心に選ぶようにすることがポイントです。
まごわやさしいとは、
マ・・・豆類
ゴ・・・ごま、ナッツ類
ワ・・・ワカメなどの海藻類
ヤ・・・野菜類
シ・・・シイタケなどのキノコ類
イ・・・イモ類
です。
行き着くところの和食でみられる食材ですね。
これらの食材は、肝臓に負担が少なく、機能を高めてくれる役割があるので、食事の際はこのような食材を選択できるようにすると良いと思います。
運動
肝臓は、経絡チャートにおいて「大胸筋」と繋がります。(参考文献:ホリスティックコンディショニングNo.2))
ということは、筋トレにおいて胸の筋肉を活性化していくことがポイントです。
胸のトレーニングをここでは3つほどご紹介していきます。
膝立て伏せ
膝をつけた状態で身体をまっすぐにして、ゆっくりと身体を沈めていきます。
胸が地面に着く寸前まで来たら腕で身体を押し上げていきましょう。
最初は5回ほどから始めて、出来るようになってきたら10回くらいまで。
腕立て伏せでも良いのですが、負荷がかなり強いので、特に女性は難しいでしょう。
最初は膝立て伏せから始めて、10回出来たら腕立て伏せに挑戦、という流れにすると良いでしょう。
ベンチプレス
(1)床やソファ等に仰向けになります。ベンチ台が用意できるならなお良いと思います。
(2)ダンベルを両手に持ち、肩の真上に構えます。
(3)胸の横に向かってゆっくりと下ろしていきます。
(4)最初の位置に戻していきます。
下ろす位置を色々調節しながら行うと胸の筋肉に一番刺激が入るポイントを見つけることが出来るはずですので、試しながら行ってみてください。
初心者の方は細かい回数設定はおいておいて、とにかく「10回出来る」ということを目標においていきます。
ダンベルプレス
ダンベルプレスと似た種目ですがダンベルフライという種目があります。
(1)床やソファ等に仰向けになります。ベンチ台が用意できるならなお良いと思います。
(2)ダンベルを両手に持ち、肩の真上に構えます。
(3)肘を少しだけ曲げたまま横に開いていきます。
(4)最初の位置に戻していきます。
ダンベルプレスよりもフライの方が胸への刺激が分かりやすいという人もいるので、自分の好みで選んでみては。
運動では「活性化のきっかけを与える」に過ぎないので、基本的には運動・食事などの生活習慣を見直し改善するということが大切です。その崩れが肝臓の機能低下を招いているのですからね。
ととのえて、肝臓
肝臓の機能が低下すると
・肌のトラブル
・脂肪の蓄積
・身体の不調
につながっていくということでした。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、肝機能が低下したり病気になったとしても症状がわかりにくい臓器です。
そんな肝臓の機能を低下させないために大切なことは、やはり日々の体管理です。暴飲暴食を繰り返したり、運動不足が続けば、肝機能はどんどん低下していきます。
自分の身体を大切にするためにも、身体への感謝の気持ちを忘れず、身体の状態を食事や運動で整えられるといいですね。
日々の小さな積み重ねを大切にしていきましょう!

東京学芸大学では、保健体育を専攻し、その後、日本ホリスティックコンディショニング協会ホリスティックコンディショナーの資格をとり、パーソナルトレーナーになる。活動歴7年。累計1000人以上のセッションを行う渋谷のパーソナルトレーニングジム「ととのえて、からだ。」の代表トレーナー。解剖学や生理学、栄養学など知識が豊富。